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村田製、今期は21%営業減益予想 相互関税の需要影響は未反映

2025年04月30日(水)16時28分

 4月30日、村田製作所は、2026年3月期の連結営業利益(国際会計基準)が前期比21.3%減の2200億円となる見通しだと発表した。写真は同社のロゴ。2016年10月、千葉県の幕張メッセで撮影(2025年 ロイター/Toru Hanai)

Ritsuko Shimizu

[東京 30日 ロイター] - 村田製作所は30日、2026年3月期の連結営業利益(国際会計基準)が前期比21.3%減の2200億円となる見通しだと発表した。操業度改善やコストダウンを実施するものの、製品価格の値下がりや円高の進行、固定費の増加により減益となる。トランプ政権の相互関税政策による需要影響は織り込んでいない。

同社の主力製品である積層セラミックコンデンサ(MLCC)は、AI(人工知能)サーバー等インフラ投資の拡大や電動車両(xEV)比率の上昇などにより増収を計画。一方、スマートフォン向けの需要減により高周波・通信事業が大幅減収となる見込み。リチウムイオン二次電池もゲーム向けの需要減や製品価格の値下がりにより減収となる。

売価値下げで1020億円、為替変動で570億円、固定費増加で440億円の営業減益要因となる見通し。

想定為替レートは1ドル=140円(前期は152.57円)。1円の変動で売上高は約90億円、営業利益は約45億円の影響を受ける。

IBESがまとめたアナリスト16人の予想平均値は3456億円で、会社予想はこれを大きく下回った。

設備投資は2700億円(前期実績1805億円)と大きく増加する。

25年3月期の連結営業利益は同29.8%増の2797億円となり、会社計画の3000億円から下振れた。自動運転の拡大を見据え、2012年にフィンランドの電子部品大手、VTIテクノロジーを買収したが、自動運転の普及スピードが想定より緩やかなことから、MEMS技術を基盤とするセンサ事業で104億円の減損損失を計上した。今後は収益性改善を進めるとともに、市場拡大期における事業機会の獲得を目指していく。

同日、発行済み株式の4.13%に当たる7700万株・1000億円を上限に自社株買い実施を決めた。取得期間は5月7日から10月29日まで。また、前期の期末配当を予想の1株27円から30円に引き上げ、年間配当は57円とした。今期の年間配当は60円を予定している。

ロイター
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