最新記事
日本企業

ジャニーズ事務所、故ジャニー氏の性加害認める 企業によるタレント起用見送り広がるか

2023年9月8日(金)10時15分
ロイター
東山紀之(左)と藤島ジュリー景子(右)

大手芸能プロダクションのジャニーズ事務所は7日、創業者の故ジャニー喜多川氏による元タレントらへの性加害問題を巡って会見を開き、藤島ジュリー景子社長(57)が責任を取って辞任したと発表した。写真は会見する藤島氏と東山氏。東京都内で7日撮影。(2023年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

ジャニーズ事務所は7日、創業者の故ジャニー喜多川氏による性加害問題を巡って会見し、藤島ジュリー景子社長(57)が責任を取って5日付で辞任したと発表した。藤島氏は性加害の事実を認めて謝罪。新たに代表取締役社長に就任した東山紀之氏(56)は性加害について「鬼畜の所業」と表現、喜多川氏に対し「今は愛情はほとんどない」と語った。東山氏は経営に専念するためタレント活動を年内で終え、事務所の再生を急ぐ。

同事務所は同日、性加害問題について初めて会見した。藤島・東山両氏、デビュー前の若手「ジャニーズJr.」を育成する関連会社ジャニーズアイランドの社長、井ノ原快彦氏(47)も同席した。

藤島氏は会見で「事務所としても個人としても、ジャニー喜多川による性加害はあったと認識している」と述べて謝罪した。同氏は社長を辞任したが、被害者への補償にあたるため、当面は代表取締役にとどまり、事務所の株式も100%持ち続ける。ただ、業務の執行には関わらず、「補償が速やかに進めば代表取締役からも降りることを考えている」という。

喜多川氏の姪でもある藤島氏は「同族経営が問題だという指摘もいただいているので、(保有株を)今後どうすべきかは新経営体制の方々と協議していきたい」と述べた。

東山氏は、一連の性加害は「人類史上最も愚かな事件」と指摘。「大変な道のりになるが、まず一歩を踏み出さなければいけない」とし、「失った信頼を取り戻すのは時間がかかるが、今後の人生をかけ、命をかけてこの問題に取り組んでいく」と語った。

さらに、自身はこれまで性加害者でも性被害者でもなく目撃者にもなったこともないと強調したが、「(喜多川氏による性加害の)噂は聞いていた」といい、「自ら何も行動できずにいた」と述べた。

井ノ原氏は喜多川氏に対し、なぜ亡くなる前に「しっかり落とし前をつけてくれなかったのかという思いが今もある」と話した。

社会的価値創造
「子どもの体験格差」解消を目指して──SMBCグループが推進する、従来の金融ビジネスに留まらない取り組み「シャカカチ」とは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

FRB、一段の利下げ必要 ペースは緩やかに=シカゴ

ワールド

ゲーツ元議員、司法長官の指名辞退 売春疑惑で適性に

ワールド

ロシア、中距離弾でウクライナ攻撃 西側供与の長距離

ビジネス

FRBのQT継続に問題なし、準備預金残高なお「潤沢
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中