最新記事
キャリア

転職活動がうまくいかないのは「言い訳」をしているから──47歳でGoogleに入社した主席デザイナーの提言

2023年5月25日(木)15時50分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

人生において、完璧に準備が整う時点はない。自分にふさわしい会社かそうでないかは会社が決めることであって、自分で決めることではない。採用通知は受け取るものであって、自ら発行するものではない。

あなたがすべきことはいろいろな会社にエントリーすることだ。答えを決めてから問題を解こうとすると、間違える確率だけが高まる。

採用のチャンスを広げよう

コロナ禍の影響で、企業の人材採用はこれまでになく慎重になり、採用基準も厳しくなった。求人広告を出している企業に応募して狭き門を通り抜けるのは、ラクダが針の穴を通るように難しい。こんなときは、採用担当者や企業を引き寄せる作戦を同時に実行しよう。

たとえばデザイナーであれば、フリーランスとしてのプロジェクトを毎月インターネットにアップするという方法がある。世間によく知られている製品やアプリ、ウェブサイトを選んで、「私がもしリニューアルをしたら」というコンセプトでアイデアをアップするのだ。

発信する媒体はブログサービスでもいいし、自分のフォロワーがいるSNS(フェイスブック、インスタグラムなど)やプロフェッショナルネットワークの「リンクトイン」でもいい。

アイデアだけではなく、問題分析力やストーリーテリング、説得力などがアピールできるように構成する。実際の現場でも必要なスキルなので、練習の一環だと考えればいい。

成功事例はインターネット上で簡単に見つけることができる。私はケヴィン・ユージン氏が2018年に投稿した「私がもしアップルSiriをデザインし直したら」が印象に残っているが、現在彼はアップルでデザイナーとして働いている。

また、同じくアップルで働くディーケイ・クオン氏も自身のアイデアをリンクトインに定期的に投稿して好評を得ている。クリスチャン・ミカエル氏はグーグルアプリのアイコンをリニューアルするアイデアを投稿して熱い議論を巻き起こし、200件以上のコメントがついた。

オンライン上で友達を作ったり、カンファレンスで名刺交換をしたりしても、自動的にネットワークが作られるわけではない。

人は自分に役立つ相手と人間関係を結びたがる。ここでの「役立つ」とは、自分にインスピレーションをもたらしてくれるというだけで十分だ。

もし今、あなたが「準備ができたらやってみよう」と思いながらこの本を読んでいるとしたら、もう一度繰り返すが、そんな日はやってこない。物事はとりあえず始めてから何とかするものであって、準備を整えてから始めるものではない。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中国CPI、2月は0.7%下落 昨年1月以来のマイ

ワールド

米下院共和党がつなぎ予算案発表 11日採決へ

ビジネス

米FRBは金利政策に慎重であるべき=デイリーSF連

ワールド

米国との建設的な対話に全面的にコミット=ゼレンスキ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:進化し続ける天才ピアニスト 角野隼斗
特集:進化し続ける天才ピアニスト 角野隼斗
2025年3月11日号(3/ 4発売)

ジャンルと時空を超えて世界を熱狂させる新時代ピアニストの「軌跡」を追う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 2
    ラオスで熱気球が「着陸に失敗」して木に衝突...絶望的な瞬間、乗客が撮影していた映像が話題
  • 3
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手」を知ってネット爆笑
  • 4
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 5
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 6
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 7
    テスラ大炎上...戻らぬオーナー「悲劇の理由」
  • 8
    中国経済に大きな打撃...1-2月の輸出が大幅に減速 …
  • 9
    鳥類の肺に高濃度のマイクロプラスチック検出...ヒト…
  • 10
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 1
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 2
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 3
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 4
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 5
    アメリカで牛肉さらに値上がりか...原因はトランプ政…
  • 6
    イーロン・マスクの急所を突け!最大ダメージを与え…
  • 7
    「浅い」主張ばかり...伊藤詩織の映画『Black Box Di…
  • 8
    「コメが消えた」の大間違い...「買い占め」ではない…
  • 9
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 10
    著名投資家ウォーレン・バフェット、関税は「戦争行…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 9
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
  • 10
    イーロン・マスクへの反発から、DOGEで働く匿名の天…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中