ソニーの小型衛星、水蒸気による初の推進システムを搭載
その後、Sバンドを用い、すでに地上局とのあいだで通信が確立。太陽電池パドルの展開に成功したこと、および電力が正常に確保されていることが確認された。
衛星は港区のソニーグループ本社ビル内に設けられた管制室から運用される。1月時点での計画として、搭載のカメラによる静止画および動画を送波するためのXバンド通信を確立後、水レジストエンジンを用いてより高い高度へ移行する予定となっていた。
運用計画の変更で予定順延か
ペールブルーは1月末に噴射を実施するとアナウンスしていたが、現時点で実施有無および成否に関するリリースは出ておらず、続報が待たれる。
ソニーによるプロジェクトのTwitterによると、アイは1月末ごろ、一時的にセーフモードに入っていたという。ほかのプロジェクトと共同利用する地上局を予定通りに使用できず、アイは一定期間信号を受信できなかったことから自動的にセーフモードへ移行していた。モードは現在解除されたが、これにより一部の初期設定を実施し直す必要が生じたため、工程表に変更が出ているようだ。
アイはソニーが東京大学および宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同して進めるプロジェクト「STAR SPHERE(スター・スフィア)」の中核をなす。
スター・スフィアでは、アイに装備されたフルサイズセンサー搭載のカメラを通じ、地上からの遠隔操作によって宇宙空間での撮影を体験できる。ソニーは今年春ごろから一般の人々を対象に、撮影体験サービスを展開する予定だ。