「広島原爆の12倍の威力」、ロシアがICBM「ヤルス」設置映像を公開...「軍事任務に就ける」
Russia Primes Nuclear Bomb 12 Times More Powerful Than Dropped on Hiroshima
軍事パレードで披露されたICBMヤルス(2017年5月) Maxim Shemetov-Reuters
<ロシア国防省が大陸間弾道ミサイル「ヤルス」を発射台に移す映像を公開。核兵器使用という脅威が近付いているのか>
ロシア国防省は12月14日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「ヤルス」を、カルーガ州にある地下格納庫の発射台に移す様子を撮影した映像を公開した。ロシアのメディアはこの兵器を「広島原爆の12倍の威力」と表現し、ロシアの核能力について、西側諸国に警告のメッセージを送るための映像公開だと報じている。
■【動画】ミサイルと発射台の巨大な姿...ロシアが公開した「ヤルス」ミサイルを発射台に移す様子
ロシア政府寄りのメディア「コムソモリスカヤ・プラウダ」は「ヤルス」について、「アメリカが(1945年8月6日に)広島に投下した原子爆弾の12倍の威力」があると報道。射程距離は最大1万2000キロメートルと、アメリカやヨーロッパのどこでも攻撃することが可能で、ペイロード(弾頭部分の積載重量)は最大500キロトンにのぼるとも説明した。
軍事専門サイトの「ミリタリー・トゥデイ」によれば、「ヤルス」の重さは4万9000キログラム(49トン)。「RS-24ヤルス」は「トーポリM」を基盤に開発されたもので、西側諸国では「SS-29」として知られている。モスクワ熱技術研究所が開発して2007年に初めて発射実験が行われた。
また「ミリタリー・トゥデイ」によれば、ヤルスは7分間で発射準備が整い、屋根がスライド式になっている特殊な格納施設か、あるいは事前に準備された場所ではなくても現場に展開されているなかで発射が可能だ。
ヤルスの移送作戦は「重要な意味を持つ」
ロシア国防省は14日、ヤルスを特別な機材と輸送手段を使って地下格納庫に設置したと述べ、移送作戦には数時間かかったと明かした。作戦は、12月17日の「戦略ミサイル軍の日」の関連行事として実行された。
カルーガ州コゼルスキー地区にあるミサイル部隊基地のアレクセイ・ソコロフ司令官は、「今回の作戦は、計画どおり次のミサイルが戦闘任務に就ける状態にあるという点で重要な意味を持つ」と説明。ロシア国営タス通信によれば、彼はさらに「我が国は、戦略レベルで全ての任務の解決をもたらしてくれる、新たな核ミサイル兵器を迎え入れることになる」と述べた。
タス通信はまた、「祖国ロシアがこのような製品を導入し、ロシアが平和に眠れるようになったことを誇りに思う」というエンジニアのバディム・ビアゾフスキーの言葉を引用して伝えた。