ミャンマー、久保田氏収監の刑務所で爆発2回 爆弾テロか8人死亡
爆発のあったインセイン刑務所 CNA / YouTube
<反軍政の武装市民組織による犯行か>
ミャンマーの中心都市で旧首都のヤンゴンにあるインセイン刑務所で19日爆発があり、刑務所職員や民間人など8人が死亡、15人が負傷する事件が起きた。
地元の独立系メディア「ミャンマー・ナウ」などの報道によると、爆発は刑務所内に持ち込まれた爆弾によるもので、ミャンマー治安当局は爆弾テロとの見方を示している。
目撃者などの証言では死亡した8人は爆発によるものではなく、爆発の直後に刑務所の監視タワーから無差別に発砲された銃撃による犠牲者であるとの見方を「ミャンマー・ナウ」は伝えている。死者の中には刑務所職員3人、民間人5人が含まれ、負傷者15人は民間人だという。
インセイン刑務所には日本人映像ジャーナリストの久保田徹氏が10年の禁固刑で服役中だが、日本大使館によると久保田氏はケガなどなかったという。
面会所の小包爆弾が爆発か
インセイン刑務所をはじめとするミャンマーの刑務所は受刑者と家族などの面会を禁止し、弁護士を通じたやり取りに限定している。
しかし家族などからの食料や衣服、医薬品などの差し入れは認めているため、インセイン刑務所では面会受付所がこうした差し切れの受取場所となっており、連日受刑者の家族などが詰めかけていた。
19日午前9時40分頃、差し入れを装った小包が何らかの起爆装置で爆発したとみられており、外部の人物が関与したのは間違いと捜査当局は推測しているという。
「ミャンマー・ナウ」に掲載された爆発後の写真には差し入れ品受け取り所内のカウンター前の床に散乱した衣服や血糊が残る様子が写っており、混乱の様子が生々しく残されている。
この受け取り所内で1発、そのすぐ外でもう1発と合計2発の爆弾爆発があったとされている。
無差別射撃による犠牲者
さらに報道によると、爆弾自体の威力がそれほど大きくなかったためか被害は負傷者に留まっていたが、爆発に動転した監視タワーの警備員が差し入れ所に向けて無差別に発砲。犠牲者8人はその銃弾で命を奪われたという。
さらに民間人の犠牲者5人の遺体は刑務所職員によって現場からすぐに運び去られたというが、死傷者の中には収監中の学生民主活動家のリン・テット・ナイン氏に差し入れを持参していた母親が含まれているとの情報もある。
インセイン刑務所ではこの日予定されていた刑務所内に設置されている特別法廷での審理を全てキャンセルし、爆発事件の調査が進められたという。