トランプはいまだ健在か? 実力試される共和党予備選
5月はトランプ前米大統領にとって、大統領退任後の政治的影響力が試される重要な月になる。11月の中間選挙に向け、トランプ氏が支持する候補者が共和党の予備選挙に臨んでいるためだ。4月23日、オハイオ州デラウェアで撮影(2022年 ロイター/Gaelen Morse)
5月はトランプ前米大統領にとって、大統領退任後の政治的影響力が試される重要な月になる。11月の中間選挙に向け、トランプ氏が支持する候補者が共和党の予備選挙に臨んでいるためだ。
オハイオ州、ペンシルベニア州、ノースカロライナ州では上院議員選の共和党候補者指名の獲得に向けて、トランプ氏支持候補者は活発で十分な資金を持つライバルに直面している。同氏はジョージア州の現職共和党知事に対する挑戦者も支援。この知事は、2020年の大統領選挙の敗北は不正行為の結果とするトランプ氏の主張に異議を唱え、同氏の怒りを買った経緯がある。
これらの候補者はトランプ氏が今年支持した連邦・州・地方選挙の150人以上の候補者の中で、最も注目度が高い。結果次第では24年の大統領選出馬をちらつかせる同氏の党支配が弱まる兆しとなる可能性もある。
共和党のストラテジスト、マイク・デュハイム氏は「彼にとって自身が共和党のキングメーカーであるという認識、そしておそらく現実を維持することが重要だ」とする一方、「トランプ氏の支持は依然として強力だが、難攻不落ではない」とも述べた。
ただ、指名を勝ち取っても11月8日の中間選挙での成功は保証されず、失策によって民主党が上院のわずかな過半数を維持する可能性もある。
世論調査によると、トランプ氏が支持した上院議員候補のうち、少なくとも1人、オハイオ州のJ・D・バンス氏は3日の予備選挙に向けてリード。しかし、ペンシルベニア州の医師メフメト・オズ氏は17日の予備選を前にライバルに差をつけられ、前上院議員のデービッド・パーデュー氏も24日の指名争いを前にジョージア州知事のブライアン・ケンプ氏に遅れをとっている。
トランプ氏が支持する候補者の結果が振るわなくても、コア層からの支持は減らないかもしれない。ロイター/イプソスの先週の世論調査では、共和党員の83%が前大統領を好意的に見ており、40%が彼を党を最もよく代表するリーダーだと答え、24年の大統領選指名候補のライバルとなりそうなフロリダ州のデサンティス知事の25%を大きく引き離した。