最新記事

中国社会

【動画】上海のスーパーで食料めぐり男たちが「大喧嘩」、ロックダウン目前のパニック

Video Shows Shanghai Residents Fight Over Groceries Ahead of COVID Lockdown

2022年4月1日(金)17時50分
エマ・メイヤー
ロックダウン目前の上海

@DrEricDing/Twitter

<封鎖を控えてパニック買いに走った市民同士が、スーパーの店内で取っ組み合いの喧嘩をする動画がネット上で注目を集めている>

中国における金融の中心地である上海市で、新型コロナウイルスの流行を理由とする大規模なロックダウン(都市封鎖)が、ついに実施された。感染力のきわめて強い変異株、オミクロン株が急拡大したことを受けた措置だが、突然のロックダウン実施の発表を受け、上海市民たちは生活用品を買いだめするなど、パニック状態に陥っている。

パンデミックが発生して以降、上海で市全体にロックダウンが導入されたのは、今回が初めてのことだ。インターネット上に出回っている動画には、ロックダウンを控えた住民たちが、スーパーの店内で食料品や生活用品を激しく奪い合う様子が映っている。

上海市はこれまで、部分的なロックダウンや検査を実施することで感染の急拡大を抑制し、市全体を対象としたロックダウンの実施を回避してきた。中国は「ゼロコロナ政策」を掲げており、政府の複数の当局者は、2021年1月から2022年3月19日にかけて、新型コロナウイルス感染症で死亡した人の記録は一件もないと述べている。

だがオミクロン株の急激な感染拡大に伴って、中国の多くの都市の市民が厳しいロックダウンに直面している。香港では、過去3カ月のうちに新型コロナウイルスに関連のある理由で死亡した人の数が4600人を超えており、火葬が追いつかない状況となっている。

食べ物の奪い合いで取っ組み合いの喧嘩も

疫学者のエリック・ファイグル・ディン博士がツイッター上で共有した問題の動画は、上海の食料品店の中で撮影されたものだ。商品棚は空っぽで、人々が店内の通路で残り少なくなった商品を奪い合うようにして買っている様子が映っている。

動画はその後、2人の客が食べ物をめぐって取っ組み合いの喧嘩をする様子を映し出し、その後は再び、食品や生活用品を買いあさる人々の群れを映している。

ディンはこの動画を紹介した投稿の中で、次のように書いている。「上海では人口2600万人の半分を対象としたロックダウンが実施されており、間もなくもう半分もロックダウンに突入する。こうしたなか、地元住民の間で食料品をめぐる争いが起きている」

彼はまた、動画を撮影した人物は「奪い合うものさえ残っていないと罵り、文句を言っている」と書き、「地元住民は気性が荒いことで有名だ」としている。

中国疾病対策予防センターによれば、上海市では3月29日、新たに329件の市中感染が確認された。BBCによれば、上海ではオミクロン株の感染拡大により、3月1日以降、2万人を超える新規感染者が報告されている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米中古住宅販売、10月は3.4%増の396万戸 

ビジネス

貿易分断化、世界経済の生産に「相当な」損失=ECB

ビジネス

米新規失業保険申請は6000件減の21.3万件、4

ビジネス

ECB、12月にも利下げ余地 段階的な緩和必要=キ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中