【動画】上海のスーパーで食料めぐり男たちが「大喧嘩」、ロックダウン目前のパニック
Video Shows Shanghai Residents Fight Over Groceries Ahead of COVID Lockdown
@DrEricDing/Twitter
<封鎖を控えてパニック買いに走った市民同士が、スーパーの店内で取っ組み合いの喧嘩をする動画がネット上で注目を集めている>
中国における金融の中心地である上海市で、新型コロナウイルスの流行を理由とする大規模なロックダウン(都市封鎖)が、ついに実施された。感染力のきわめて強い変異株、オミクロン株が急拡大したことを受けた措置だが、突然のロックダウン実施の発表を受け、上海市民たちは生活用品を買いだめするなど、パニック状態に陥っている。
パンデミックが発生して以降、上海で市全体にロックダウンが導入されたのは、今回が初めてのことだ。インターネット上に出回っている動画には、ロックダウンを控えた住民たちが、スーパーの店内で食料品や生活用品を激しく奪い合う様子が映っている。
上海市はこれまで、部分的なロックダウンや検査を実施することで感染の急拡大を抑制し、市全体を対象としたロックダウンの実施を回避してきた。中国は「ゼロコロナ政策」を掲げており、政府の複数の当局者は、2021年1月から2022年3月19日にかけて、新型コロナウイルス感染症で死亡した人の記録は一件もないと述べている。
だがオミクロン株の急激な感染拡大に伴って、中国の多くの都市の市民が厳しいロックダウンに直面している。香港では、過去3カ月のうちに新型コロナウイルスに関連のある理由で死亡した人の数が4600人を超えており、火葬が追いつかない状況となっている。
食べ物の奪い合いで取っ組み合いの喧嘩も
疫学者のエリック・ファイグル・ディン博士がツイッター上で共有した問題の動画は、上海の食料品店の中で撮影されたものだ。商品棚は空っぽで、人々が店内の通路で残り少なくなった商品を奪い合うようにして買っている様子が映っている。
動画はその後、2人の客が食べ物をめぐって取っ組み合いの喧嘩をする様子を映し出し、その後は再び、食品や生活用品を買いあさる人々の群れを映している。
Local residents in Shanghai seen fighting over groceries as half of its 26 million residents are in lockdown, and other half entering lockdown soon. The narrator cusses & complains there's nothing even left to fight over (locals are notoriously cutthroat). pic.twitter.com/srJY9vm9pT
— Eric Feigl-Ding (@DrEricDing) March 30, 2022
ディンはこの動画を紹介した投稿の中で、次のように書いている。「上海では人口2600万人の半分を対象としたロックダウンが実施されており、間もなくもう半分もロックダウンに突入する。こうしたなか、地元住民の間で食料品をめぐる争いが起きている」
彼はまた、動画を撮影した人物は「奪い合うものさえ残っていないと罵り、文句を言っている」と書き、「地元住民は気性が荒いことで有名だ」としている。
中国疾病対策予防センターによれば、上海市では3月29日、新たに329件の市中感染が確認された。BBCによれば、上海ではオミクロン株の感染拡大により、3月1日以降、2万人を超える新規感染者が報告されている。