英CPI、3月は前年比+2.6%に鈍化 今後インフレ加速か

4月16日、英国立統計局(ONS)が発表した3月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比2.6%と、3カ月ぶりの低水準だった。写真は2024年3月、ロンドンの食料品店で撮影(2025年 ロイター/Isabel Infantes)
Suban Abdulla
[ロンドン 16日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が16日発表した3月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比2.6%と、3カ月ぶりの低水準だった。
2月の2.8%から鈍化し、ロイターがまとめた市場予想の2.7%を下回った。
コンピューターゲームと燃料の価格が下落したほか、食品価格が横ばいだった。ただ、2月に予想外に下落した衣料品は大幅に値上がりした。
ただ、4月以降は公共料金の値上げや雇用主に対する増税でインフレが加速するとの見方が出ている。
イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MPC)の元委員、マイケル・ソーンダース氏はBBCラジオに「嵐の前の静けさだ」と発言。4月のガス、電気、水道料金の値上げと雇用主への増税でインフレ率が3%に上昇する可能性があると指摘した。トランプ米大統領の貿易戦争の影響も出始めるとの見方も示した。
英産業連盟(CBI)の主席エコノミスト、マーティン・サルトリウス氏は、トランプ氏の関税引き上げについて、英国の物価に上昇圧力と下落圧力の双方がかかる可能性があるが、英中銀は来月、利下げを実施する可能性が高いと指摘。
「経済環境は不透明で、引き続き緩やかかつ慎重に利下げを実施するだろう」と述べた。
統計発表後、ポンドは対ドルで約0.2セント下落した。金融市場は次回5月8日のMPCで25ベーシスポイント(bp)の利下げが決まる確率を約86%と予想。統計発表前は約80%だった。
サービス価格の上昇率は4.7%で、2月の5.0%から鈍化。ロイターがまとめた市場予想は4.8%だった。
エネルギー、食品、たばこを除くコアCPI上昇率もやや鈍化した。
CPI上昇率は2022年の11%超の水準から鈍化しているものの、引き続き消費者の懸念要因となっている。