ウクライナ戦争を「ちゃんと理解する」ために、いま読むべき3冊の本
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<プーチンの軍事戦略、第二次大戦の教訓、SNSでの情報戦...この3冊を読めば、ロシアとウクライナで起きていることとその意味が理解できる>
ウクライナに攻め入るロシアが強硬姿勢を崩さない中、各国の思惑が交錯し、世界中が言い知れぬ緊張感に包まれています。
なぜこのような状況になってしまったのでしょうか。
誰もが固唾をのんで見守る国際情勢、その理解を助ける3冊をご紹介します。(この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です)。
ロシアの軍事戦略を読み解く
最初にご紹介するのは、ロシアの軍事に詳しい東京大学の専任講師、小泉悠氏による『現代ロシアの軍事戦略』です。
ロシアの外交や国防の文書を読み解き、西側諸国の見方を織り込みながら、豊富な視点を提供してくれる一冊です。毎年秋に行われるロシアの軍事演習を丹念にウオッチするなど、独自の分析も交えています。
本書によると、ロシアは常にNATO(北大西洋条約機構)に象徴される「西側」と非線形の「永続戦争」をしている「戦時下」にあるとされます。そうした危機感を背景として2014年にクリミア併合という事変に至りました。西側は、ロシアが軍事に限らずサイバー攻撃や陽動作戦を巧みに組み合わせた「ハイブリッド戦争」という新たな戦争形態を編み出したとして、警戒感を強めています。
ロシアは、プーチン大統領は何を目指しているのか、その答えのカギとなる分析や示唆に富んだ良書と言えるでしょう。
『現代ロシアの軍事戦略』
著者:小泉悠
出版社:筑摩書房
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戦禍を繰り返さないために
続いてご紹介するのは『独ソ戦』です。「独ソ戦の実態に迫る、定説を覆す通史」として「2020年新書大賞」(中央公論新社主催)に選ばれた快作です。ドキュメンタリータッチでその戦争の惨禍を克明に描きながら、政治に目をつむることの恐ろしさを伝えています。
近現代における「最悪」の政治的転落である第二次世界大戦のうち、最も被害の大きかった独ソ戦。この戦いを知ることは、政治の失敗が何を生むのかを理解することにつながります。
独ソ戦は、ドイツのヒトラー、ソ連のスターリンだけが突っ走って起こされた悲劇ではありません。多くのドイツ国民がそれに「賛同」し、さまざまな地理的もくろみのなかで、ある意味、自分たちの生活を守るために行なわれた惨劇でした。
戦前から練られてきた用兵思想の「作戦術」が機能したことがソ連勝利につながったと分析するなど、新たな史観とともに、悲劇を繰り返さないための知恵を与えてくれる一冊です。
『独ソ戦』
著者:大木毅
出版社:岩波書店
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