最新記事

認知症

認知症の世界を「実感」できる本、『認知症世界の歩き方』から見えること

2022年2月25日(金)17時30分
flier編集部

最近だと、自分の思考に影響を与えた本として思い浮かぶのが、『新版 動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』。分子生物学者の福岡伸一さんが「生命とは何か」という謎に迫った作品です。

僕は前著『持続可能な地域のつくり方』で、SDGs(持続可能な開発目標)の考え方をベースに、地域の生態系をしなやかに再生していくための地方創生の方法を書きました。その際に実感したのが、地域の課題は住民、行政、企業などいろいろな主体が密接に結びついた「生命体」であるという点でした。この本は、生命体を構成する要素同士のバランスがとれていることがソーシャルデザインにおいても重要だと気づかせてくれた最初の一冊です。

こういった本から興味がいろいろな領域に広がっていますが、次に挑戦していきたいテーマは、「気候危機」の領域です。社会課題のなかでもスケールが大きい課題ですし、「こうすればよい」という解が提示されておらず、日本人全体が「自分事」にできていない課題です。この1、2年で探究してきたことをもとに、気候危機のテーマについて多くの方に興味をもってもらえるよう、書籍などのアウトプットを出していきたいですね。

220224fl_ikk03.png


筧裕介(かけい ゆうすけ)

issue+design 代表、慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科特任教授。1975年生まれ。一橋大学社会学部卒業。東京工業大学大学院修了。東京大学大学院工学系研究科修了(工学博士)。2008年ソーシャルデザインプロジェクトissue+design を設立。以降、社会課題解決のためのデザイン領域の研究、実践に取り組む。日本計画行政学会・学会奨励賞、グッドデザイン賞BEST100、竹尾デザイン賞、カンヌライオンズ(仏)、D&AD(英)、他受賞多数。著書に『持続可能な地域のつくり方』『ソーシャルデザイン実践ガイド』『人口減少×デザイン』(単著)、『地域を変えるデザイン』『震災のためにデザインは何が可能か』(共著・監修)など

flier編集部

本の要約サービス「flier(フライヤー)」は、「書店に並ぶ本の数が多すぎて、何を読めば良いか分からない」「立ち読みをしたり、書評を読んだりしただけでは、どんな内容の本なのか十分につかめない」というビジネスパーソンの悩みに答え、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。

通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されているほか、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。

flier_logo_nwj01.jpg

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

イスラエルとハマス、ガザ停戦で合意 19日に発効

ビジネス

NY連銀総裁「金融政策はデータ次第」、政府巡る不確

ビジネス

米経済活動、小幅から緩やかに拡大 見通しは楽観的=

ビジネス

米CPI、インフレ圧力緩和継続を示唆=リッチモンド
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    ド派手な激突シーンが話題に...ロシアの偵察ドローンを「撃墜」し、ウクライナに貢献した「まさかの生物」とは?
  • 4
    韓国の与党も野党も「法の支配」と民主主義を軽視し…
  • 5
    【随時更新】韓国ユン大統領を拘束 高位公職者犯罪…
  • 6
    中国自動車、ガソリン車は大幅減なのにEV販売は4割増…
  • 7
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 8
    ロス山火事で崩壊の危機、どうなるアメリカの火災保険
  • 9
    「日本は中国より悪」──米クリフス、同業とUSスチ…
  • 10
    TikTokに代わりアメリカで1位に躍り出たアプリ「レ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」
  • 4
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 5
    ロシア兵を「射殺」...相次ぐ北朝鮮兵の誤射 退却も…
  • 6
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「…
  • 7
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 8
    トランプさん、グリーンランドは地図ほど大きくない…
  • 9
    装甲車がロシア兵を轢く決定的瞬間...戦場での衝撃映…
  • 10
    古代エジプト人の愛した「媚薬」の正体
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中