ロシア、ウクライナ国境付近の軍増強 輸血用血液の移動も
オースティン長官は、国防総省で行った記者会見で「(プーチン大統領には)都市や主要な領土の占領のほか、分離独立を望む地域の承認などの挑発的な政治行為を含む複数の選択肢がある」と指摘。米国は、ウクライナ侵攻の口実として利用される恐れのあるロシアによる偽情報への対応に引き続き注力していると述べた。
米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は、ウクライナ国境沿いにおけるロシアによる軍増強は、陸海空軍だけでなくサイバー攻撃などの分野にも及んでいると指摘。ロシアがウクライナを侵攻すれば多数の負傷者が発生し、「恐ろしい」結果を招くと警告した。
ラブロフ外相は、今後2週間以内にブリンケン米国務長官と再び会談すると明かした。
国連安保理でも討議へ
米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は27日、ウクライナ情勢を巡り国連安全保障理事会の公開会合を31日に開くよう要請したことを明らかにした。
米当局者によると、31日に開催される国連安保理の公開会合では、ロシアのウクライナ国境における軍備増強について「ロシアが何をしているのかについて説明する機会」になるという。
こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領は28日、ロシアとの緊張がさらにエスカレートする可能性は排除できないとしながらも、西側諸国の「パニック」的対応が同国経済に重くのしかかっていると批判。会見で「現在の状況が以前よりも緊迫しているとは考えていない。他国からはウクライナで戦争が起きていると思われているが、それは違う。事態がエスカレートする可能性がないとは言えないが、このようなパニックは必要ない」と語った。

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