【9.11】20年目の「新事実」テロ実行犯の2人は愛し合っていた
DYING TOGETHER
しかしFBIの膨大な捜査資料のどこを探しても、そうした見方を裏付ける証拠は1つしかない。
後にアメリカン航空11便に乗り込むことになるアブドルアジズ・アルオマリとサタム・アルスカミが9月7日に、マサチューセッツ州ニュートンのモーテルに娼婦2人を呼んだという証言だ。当の娼婦たちが顔写真から2人を特定し、2人とセックスしたことを認めている。
だがアタとアルシェヒを含め、他の実行犯が同様の行為をしていたという記録は全くない。
例えばジアド・ジャラの場合だ。彼はユナイテッド航空93便を乗っ取り、連邦議会議事堂を目指していたが、乗客の英雄的な行動によって阻止され、飛行機はピッツバーグ郊外で墜落。乗員乗客44人全員が死亡した。
ジャラにはトルコ系ドイツ人の妻がいた。妻はずっとドイツにいた。
アメリカに渡ってからも、彼は何度も妻に電話しているし、5回もドイツへ飛んで妻と会っている(アメリカでのジャラは、フロリダ州でアタとアルシェヒのアパートの近所に住み、空き時間のほとんどを一緒に過ごしていた)。
そのジャラは妻に、アメリカに来てものの見方が変わったと語っていた。アメリカでは誰も他人の生き方を詮索しない、モスクに行かなくてもいいし、秘密警察や隣人に監視されることもない。
だからアタとアルシェヒも自然体で生きている。ジャラはそう言っていた。
実行犯は心中を試みた?
そして最後の決め手。テロ実行の1カ月ほど前、ベルリンにいるビナルシブとアタが電話で話した内容だ。
ドイツの諜報機関が傍受したもので、2人は明らかにテロの標的について議論していた。
当時の国防長官ドナルド・ラムズフェルドも回想録に記していることだが、2人は学生を装い、いろいろな学科の話をしていた。
学科名が暗号で、「建築」は世界貿易センター、「美術」は国防総省、「法律」は連邦議会、そして「政治」はホワイトハウス。しかしツインタワー南棟に対する言及はない。
アタとアルシェヒの関係が、そしてそれ故に標的が変更された可能性が、なぜ重要なのか?
1つには、ツインタワーの南北2棟が同時に攻撃されなければ、どちらも崩落を免れた可能性が高いからだ。
米国立標準技術研究所の調査報告は、旅客機2機の連続的な激突で飛散した大量の燃料と破片、そして猛烈な熱が2棟の崩落を招いたと結論している。もしも直撃されたのが1棟だけだったら倒壊には至らなかった可能性が高いという。