人類は2000年前から「時間が足りない」「時間を無駄にした」と悩んでいた
Mikhail Leonov-iStock
<『君たちはどう生きるか』など歴史に残る3冊の名著が教える、短い人生の時間を無駄にせず、大きな喜びとともに前向きに生きる方法>
最近「今日は充実していたな」と思ったのは、いつのことでしたか? 忙しい日々に流されて、「なんとなく」生きていることがデフォルト化していませんか?
「光陰矢のごとし」という言葉があります。
幼いころは、1日どころか45分程度の授業時間ですら、あまりに長く感じたものでした。それがいつの間にか、1週間、1カ月、1年というまとまりで時が過ぎ去るようになりました。
時間は過去から未来に向けて一方向にしか進まないので、気づけばあらゆることがすぐに過去になってしまいます。実は、遠い昔を生きた先人たちも同じようなことに悩んでいたのです。
本の要約サービス「フライヤー」に蓄積されている歴史的な「知」の名著から、社会や人生のヒントを探ってみてはいかがでしょう? 一見すると近寄りがたい古典的ベストセラーも、きっと今のあなたの助けになってくれるはずです。(この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です)。
「他人に時間を奪われて忙しくなっている」
『人生の短さについて 他2篇』
著者:セネカ
翻訳:中澤務
出版社:光文社
flierで要約を読む
古代ローマの哲人セネカは、いまから2000年ほど前に生きた人物ですが、そのころから「人々はいかに時間を無駄使いしているか」に頭を悩ませていました。そう思うと、「人生の無駄遣い」は人間の永遠のテーマと言えそうです。
人の一生は最初から短く儚いものなのではなく、「他人に時間を奪われて忙しくなっている」から、満ち足りた十分な長さに感じられないのです。誰が好きか嫌いかに一喜一憂し、他人のために苦労を重ね、人生が自分のものになっていない。不安定だから、しょっちゅう心変わりするし、退屈から逃げることもできない。
「過去を忘れ、現在をおろそかにし、未来を恐れる人たちは、きわめて短く、不安に満ちた、哀れな生涯を送る」
では私たちはどうすれば人生を豊かにしていけるのか。まずは、2000年の時を越えた哲学者の言葉に耳を傾けてみませんか。
「腹の底から湧き出る喜び」
『生きがいについて』
著者:神谷美恵子
出版社:みすず書房
flierで要約を読む
人は生きがいを感じているとき、自分の命があったことに喜び、感謝する気持ちを心の底から抱くことができるに違いありません。『生きがいについて』の著者である神谷美恵子さんはその「生きがい感」を、「腹の底から湧き出る喜び」と表現しました。
みなさんはそれぞれにさまざまな人生を歩まれてきたと思いますが、立ち止まって振り返ると、そのような「喜び」をいつ、どんなときに得られたか、思い出すことができますか? それは、きっとあなたが「やりたいこと」につながっています。