パンデミックを好機に変えた、コロナ時代の「オンライン」シェフたち
TikTok Recipe for Success
白人中心で型にはまったインスタグラムと違い、TikTokは「さまざまな年代や人種、宗教、文化」の人々に平等なプラットフォームだと言う。「親近感を覚える相手なら、そのコンテンツに共感する可能性はより高くなる」
TikTokは、パンデミックで失業した大勢の人を救ってもいる。
ミシュランの星付きの店で修業したシェフ、ポピー・オトゥールは昨年3月に職場を解雇された。「私は料理以外に何の訓練も受けていない。誰かを助けるためにできることは少ないけれど、よりよい食事を作る手助けはできる」
彼女のアカウント(@poppycooks)が注目されたのは、昨年4月にマクドナルドのハッシュポテトを再現したときだ。その後、ジャガイモ料理の動画ならヒットすることに気付き、昨年11月に「25日間のポテトレシピ」シリーズを開始した。
人間的なものを求めて
現在、フォロワー数は約160万人。いいね数は2000万件を超える。9月に自身のレシピ集を刊行する予定だ。
パンデミック前なら、これほど簡単にはいかなかったかもしれない。「TikTokとその成功談はパンデミックや日常生活のオンライン化抜きでは語れない」と言うのは、フード動画を手掛けるツイスティッドの共同クリエーター、トム・ジャクソンだ。
主に若者世代に愛されていたTikTokはパンデミックでユーザー層が広がった。
「あらゆる層の人々が、このプラットフォームに特に魅了されているようだ。その点がとても興味深い」と、ジャクソンは言う。「携帯を手に取ってボタンを押し、何かを公開する。そこにはとても人間的で、確かなものがある」