最新記事

アフガニスタン

米軍、アフガニスタン主要拠点から撤収 米史上最長の戦争に終止符

2021年7月3日(土)08時57分
米軍戦闘機

7月2日、米国防当局者はアフガニスタンに駐留する米軍と北大西洋条約機構(NATO)軍が主要拠点のバグラム空軍基地から撤収したと明らかにした。バグラム基地で2017年8月撮影(2021年 ロイター/Josh Smith)

アフガニスタンに駐留する米軍と北大西洋条約機構(NATO)軍が2日、首都カブール北方にある主要拠点のバグラム空軍基地から撤収した。米国防当局者が明らかにした。

2001年の米同時多発攻撃から約20年に及ぶ米史上最長の戦争の事実上の終結となる。

バイデン米大統領は記者団に対し、米軍の撤収が「軌道に乗っている」と語った。同時に「同盟国との合理的な撤退」の一環として、米部隊の一部は9月までとどまる見通しとした。

ホワイトハウスのサキ報道官は記者団に対し、アフガンからの米軍の撤退は8月末までに完了すると表明。バイデン大統領はこれまで、01年の米同時多発攻撃からちょうど20年に当たる9月11日を撤退期限としていた。

アフガン政府筋によると、3日に式典が行われ、同基地はアフガン政府に正式に引き渡される。米軍はこれまで、バグラム基地を空爆や後方支援の主な拠点としてきた。

反政府武装勢力タリバンのザビフラ・ムジャヒド報道官は「撤退を前向きな一歩と受け止めている。外国軍の完全な撤退で、アフガニスタンは安定と平和に近づける」と述べた。

米国防当局者によると、アフガン米軍のオースティン・ミラー司令官が、首都カブール駐留軍の安全確保に向け全ての権限を維持する。

西側諸国の外交官によると、米国はカザフスタン、タジキスタン、ウズベキスタンの中央アジア3国に対し、米軍、もしくは同盟軍のために働いた約1万人のアフガン人を一時的に受け入れるよう要請した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国「米の独断専行に最後まで付き合う」、関税引き上

ワールド

米ホワイトハウス、政府のAI利用拡大へ省庁に戦略策

ビジネス

街角景気3月は0.5ポイント低下、判断「このところ

ワールド

香港、自由貿易協定拡大へ 米関税は「冷酷」とトップ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税大戦争
特集:トランプ関税大戦争
2025年4月15日号(4/ 8発売)

同盟国も敵対国もお構いなし。トランプ版「ガイアツ」は世界恐慌を招くのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 4
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 5
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 6
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 7
    反トランプのうねり、どこまで大きくなればアメリカ…
  • 8
    フジテレビが中居正広に対し損害賠償を請求すべき理由
  • 9
    流石にこれは「非常識」?...夜間フライト中に乗客が…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 1
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    5万年以上も前の人類最古の「物語の絵」...何が描か…
  • 7
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 8
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡…
  • 9
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 10
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中