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街角景気3月は3カ月連続の悪化、食品高で 先行きは米関税に懸念

2025年04月08日(火)15時20分

  4月8日、内閣府が発表した3月の景気ウオッチャー調査は現状判断DIが45.1となり、前月から0.5ポイント低下した。3カ月連続マイナス。景気判断は「緩やかな回復基調が続いているものの、このところ弱さがみられる」で維持した。写真は都内で2017年1月撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Kentaro Sugiyama

[東京 8日 ロイター] - 内閣府が8日発表した3月の景気ウオッチャー調査は、現状判断DIが前月から0.5ポイント低下し45.1となった。低下は3カ月連続で、2022年7月(43.6)以来の低水準となった。食料品の価格上昇や各種コスト高が景況感を悪化させている。先行きでは、米国の通商政策に対する懸念が強まっている。

指数を構成する3部門は全てマイナスで、家計動向関連が前月から0.1ポイント、企業動向関連が0.5ポイント、雇用関連が3.9ポイントそれぞれ低下した。

景気判断は前月引き下げたばかりで、今月も状況に変化がないことから「緩やかな回復基調が続いているものの、このところ弱さがみられる」で据え置いた。

回答者からは「野菜およびコメの価格高騰の影響が大きく、買い控えが顕著」(中国=一般小売店<食品>)、「建設費高騰などの影響で事業予算内に収まらず、計画中止になる案件が複数出ている」(東北=建設業)といった声が聞かれた。

2─3カ月先の景気の先行きに対する判断DIは前月から1.4ポイント低い45.2と、4カ月連続で低下。22年7月(43.2)以来の低水準となった。トランプ米政権の関税政策の影響を懸念する声が急増している。

内閣府は先行きについて「賃上げへの期待がある一方、従前からみられる価格上昇の影響に加え、米国の通商政策への懸念もみられる」とまとめた。

大和証券の鈴木雄大郎エコノミストは、引き続き商品の値上げに対する節約志向が強いと指摘。米国の相互関税が想定を上回る内容だったことは調査に反映されておらず、来月分が「もう一段悪化する可能性が高い」との見方を示す。

調査期間は3月25日から31日。トランプ政権が26日に輸入自動車に対して25%の追加関税を課す計画を発表し、調査期間は世界景気の不透明感に対する織り込みが進んでいた。

*内閣府の発表資料は以下のURLでご覧になれます。

https://www5.cao.go.jp/keizai3/watcher_index.html

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