香港、自由貿易協定拡大へ 米関税は「冷酷」とトップが批判

4月8日、香港政府トップの李家超(ジョン・リー)行政長官(写真)は米国が発表した関税措置について、世界経済と貿易秩序を破壊していると非難し、香港がリスク分散のために自由貿易協定をさらに締結するだろうと述べた。2024年11月撮影(2025年 ロイター/Tyrone Siu)
James Pomfret Clare Jim
[香港 8日 ロイター] - 香港政府トップの李家超(ジョン・リー)行政長官は8日、米国が発表した関税措置について、世界経済と貿易秩序を破壊していると非難し、香港がリスク分散のために自由貿易協定をさらに締結するだろうと述べた。
「米国はもはや自由貿易を堅持しておらず、国際的に確立された世界貿易のルールを恣意的に損ない、その冷酷な振る舞いは世界貿易と多国間貿易に損害を与えている」と記者団に語った。
国際貿易のハブである香港は、短期的には米関税の影響を受けるとみられるが、リー氏は香港が今すぐ米国に報復関税を課すつもりはないと述べた。
中国に課された34%の追加関税は香港にも適用される。また、先に課された20%関税を合わせると、香港製品に対する米関税は54%になる。
リー氏は対応策として、東南アジアや中東などとの自由貿易協定を増やすなど、貿易やビジネスで関係を強化することを目指すと説明。また、エジプト、トルコ、カンボジアに新たな貿易事務所を設置する。さらに、サウジアラビア、バングラデシュ、ペルーと投資協定で交渉中だという。