うちわ会食より安全! 飲食時のコロナ感染対策「鼻マスク」ってどう?
普通のマスクをズラして使うよりは感染リスクが低いかも。Carlos Jasso - REUTERS
<うちわやマウスガードよりも感染効果が高いマスクが開発されたが、専門家や一般からも反応は今ひとつ>
日本では新型コロナウイルスの感染予防として、口の部分だけ開いたり、顎の部分にゆるみをもたせたり、手で持ったりする食事用マスクが発表され注目を集めている。感染が拡大し始めたとき、フェイスマスク着用に強い抵抗があったヨーロッパ人が見たら「さすがはマスク好きな日本人だ」とか「食事で、そこまで気を遣うのか」と、きっと驚くだろう。
一方、メキシコでは、食事用のマスクとして鼻のみを覆う「鼻マスク」が考案され、広く販売する計画が進んでいる。
メキシコの研究者たちが考案 歯科治療でも使える
鼻マスクは、メキシコ国立工科大学医学部の免疫学者スタボ・アコスタ・アルタミラーノ氏らが作った。新型コロナ感染を抑えるため、5ミクロンより小さいサイズのエアロゾル(空気中に浮遊する微粒子)を考慮し、厳格な品質基準に従ってさまざまなものを試し最適なマスクの素材を発見したという。
このマスクを使えば、レストランはもとより、長距離フライトや歯科医院など人との間で十分な距離を維持することが難しい場合に、よりしっかりと新型コロナを予防できるようになると開発者らは主張している。現在、大量生産を請け負う企業と話し合いを進めており、近いうちに発売を予定している。
何もしないよりはいい
新型コロナウイルスは目・鼻・口から感染するが、米ジョンズ・ホプキンス健康安全保障センターの感染症専門家アメシュ・アダリヤ氏は、感染した場合、鼻からどの程度ウイルスが進入するかを誰も数値化していないとし、「鼻だけを覆うマスクは十中八九、強力な保護にはならないだろう」と指摘する。ただし「何もしないよりは多分よいだろう」と、健康情報サイトのベリーウェル・ヘルスにコメントしている。
米ノースイースト・オハイオ医科大学のリチャード・ワトキンス氏も、「効果についてさらに研究が必要だが、おそらく害を及ぼすことはなく、多少役立つかもしれない」と同サイトにコメントしている。