うちわ会食より安全! 飲食時のコロナ感染対策「鼻マスク」ってどう?
鼻マスクに一般の反応は?
スイスのフリーペーパー20ミヌーテンには、「この鼻マスクを着用すると思うか」というオンラインアンケート(1万8200人以上が回答)があり、「役に立たないから着けない」という意見が53%、「カーニバルには着けたい」と冗談半分の人が31%、「あまりにも突飛に見えるから着けない」が8%、「用心することに越したことはない。着けたい」「少なくとも試してみたい」がそれぞれ4%だった。
着用した姿がおそらくピエロを想定させるため積極的に付けたい人は少数派だが、もしかして将来、別の新しいウイルスが確認されたら、鼻マスク着用が食事中の新しいマナーにならないともいえない。
ジョンズ・ホプキンス大学は、感染が拡大し始めたころにはマスクが推奨されなかったのに一転して強く推奨されるようになったことについて、次のように説明している。
「当初、研究者や科学者は、一般の人々の間でマスクの着用がどれほど必要か知りませんでした。いまでは、マスク着用がこのコロナウイルスの蔓延を防ぐのに効果的な方法であることがわかりました。 (中略) 新型コロナウイルスのようなまったく新しいウイルスが人類の前に現れた場合、ウイルスの性質について詳しくわかるにつれ、推奨事項は頻繁に変わります」
ヨーロッパ人が日本人のように公共の場で常時マスクをするようになるとは、ヨーロッパ人自身も思っていなかったほど社会は激変した。何が新しい常識になるかは想像しにくい。鼻マスクがまったく役に立たないと決めるのは、まだ早いのでは?
[執筆者]
岩澤里美
スイス在住ジャーナリスト。上智大学で修士号取得(教育学)後、教育・心理系雑誌の編集に携わる。イギリスの大学院博士課程留学を経て2001年よりチューリヒ(ドイツ語圏)へ。共同通信の通信員として従事したのち、フリーランスで執筆を開始。スイスを中心にヨーロッパ各地での取材も続けている。得意分野は社会現象、ユニークな新ビジネス、文化で、執筆多数。数々のニュース系サイトほか、JAL国際線ファーストクラス機内誌『AGORA』、季刊『環境ビジネス』など雑誌にも寄稿。東京都認定のNPO 法人「在外ジャーナリスト協会(Global Press)」監事として、世界に住む日本人フリーランスジャーナリスト・ライターを支援している。www.satomi-iwasawa.com