最新記事

独占インタビュー

【Newsweek独占】訪米中の菅首相が単独取材で答えた「日米関係」「中国問題」「東京五輪の行方」

Exclusive: Japanese Prime Minister Yoshihide Suga, Biden's First Foreign Visitor, on the Challenge of China

2021年4月19日(月)18時35分
ビル・パウエル(本誌ワシントン特派員)
菅義偉首相

Eugene Hoshiko-Pool-Reuters

<訪米中の菅義偉首相に本誌英語版編集長らが単独インタビュー。バイデン時代の日米関係や香港・ウイグル問題が世界の批判を集める中国への対応、コロナ禍での東京オリンピックの開催可否を聞いた>

世界は未だ新型コロナウイルスと苦闘し、日本とアメリカを含む先進国経済は十分回復せず、中国との関係はますます緊張する――そんな激動のタイミングで、日本の菅義偉首相がワシントンを訪問した。

今月16日にジョー・バイデン米大統領と3時間近く会談した翌日、菅首相はニューズウィークの独占インタビューに応じた。

(聞き手はデーブ・プラガド・ニューズウィーク・メディア・グループCEOとナンシー・クーパー編集長、ワシントン特派員のビル・パウエル)

◇ ◇ ◇

――あなたはバイデン大統領が就任後、最初に会った国家指導者だ。このことは重要なメッセージであるように思える。アメリカにとって日本は今や、イギリスと肩を並べる「特別な関係」にある、という識者も多い。日本は地域でアメリカのためにどんな役割を果たすのか。また、日米関係が機能するようバイデン大統領と個人的な関係が必要だと思うか。

私はバイデン大統領が就任後に初めて直接会う外国の指導者として迎えられた。このことが、彼自身や米政府が日本をとりわけ重要視している証拠だ。

自由や民主主義、基本的人権また法の支配といった普遍的価値観を共有する日米同盟は、インド太平洋地域と国際社会の平和と繁栄に重要な基盤である。現在の地域情勢と厳しくなる安全保障環境を背景に、同盟の重要性はいっそう強まっている。

これまで私はバイデン大統領と電話、ビデオ会議で2度対話したが、直接会ったのは今回が初めてだ。個人レベルの信頼構築を築くためここに来た。そして、会うとわれわれはすぐ意気投合した。

2人とも政治家や国家の指導者となる道を歩んできたので、数年来の友人のように感じ、すぐに打ち解けた。

彼は家族の写真を見せながら、亡くなった息子や彼の父親、その父親から学んだことについて語ってくれた。個人的な記憶についても長い時間話してくれた。

この話の流れの中で、自由で開かれたインド太平洋地域というビジョンを具体化する上で、日米が主導的役割を果たすことについて合意することができた。

バイデン大統領とわれわれの強力な関係に基づき、このビジョンに根付いた普遍的価値観が日米から、そして(日米豪印の)「クアッド」を含む多国間の枠組みを通じて世界に広まることを望む。このことが世界の幸福実現につながると信じている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

訂正(8日配信記事)-エアビー、第1四半期は増収増

ビジネス

将来の利下げ回数、賃金など次第 FRBに左右されず

ビジネス

米新規失業保険申請23.1万件、予想以上に増加 約

ワールド

イスラエル、戦争の目的達成に必要なことは何でも実施
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必要な「プライベートジェット三昧」に非難の嵐

  • 2

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 3

    休養学の医学博士が解説「お風呂・温泉の健康術」楽しく疲れをとる方法

  • 4

    ロシア軍兵舎の不条理大量殺人、士気低下の果ての狂気

  • 5

    上半身裸の女性バックダンサーと「がっつりキス」...…

  • 6

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 7

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 8

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 9

    「高齢者は粗食にしたほうがよい」は大間違い、肉を…

  • 10

    総選挙大勝、それでも韓国進歩派に走る深い断層線

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 7

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 8

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食…

  • 9

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表.…

  • 10

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中