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独占インタビュー

【Newsweek独占】訪米中の菅首相が単独取材で答えた「日米関係」「中国問題」「東京五輪の行方」

Exclusive: Japanese Prime Minister Yoshihide Suga, Biden's First Foreign Visitor, on the Challenge of China

2021年4月19日(月)18時35分
ビル・パウエル(本誌ワシントン特派員)

「2015年の平和安全法制で更なる貢献ができるようになった」

――ご指摘の通り、地域の緊張と安全保障問題は増すばかりだ。原因はどこにある? 日米には何ができるのか。何をすべきなのか。

確かに国を取り巻く安全保障問題は厳しさを増している。平和と安定のため他地域のパートナーと協力関係を強化することが重要だ。

日米同盟を基軸としつつ、われわれは基本的な価値観を共有できる国とさらに協力しなければならない。自由で開かれたインド太平洋というビジョンを広めるため、様々な機会を利用する必要もある。

われわれにとって、民主主義の自由と人権、そして法の支配を含む普遍的価値を広めることはとても重要だ。

その意味で、積極的平和貢献と国際協力の理念に基づき2015年に成立した平和安全法制によって、日本は地域と世界の平和と繁栄に更なる貢献ができるようになった。

このような貢献は国際社会に受け入れられている。日本はこのような取り組みに意義を感じているし、地域の平和と安全を確保するための役割を増やすつもりだ。

――首相も示唆するところだが、東アジアの安全保障環境が厳しさを増すなか、自衛隊は地域防衛により柔軟かつより大きな役割を果たすべきではないか。菅首相は、自衛隊がより柔軟に対応できるよう日本国憲法を改正すべきだとの立場か。それとも、憲法改正は必ずしも必要ではないとの考えか。

自民党は結党以来、憲法改正をモットーなりマニフェストに掲げ、これまで何十年もその実現を目指してきた。

憲法改正の手続きについて言えば、まず国会で発議されなければならない。さらに主権者である国民に賛否を問うため、国民投票にかけることになる。発議には衆参両院で3分の2以上の賛成が必要だ。

何段階もの手続きを経るため、改正はそう簡単ではない。しかし現行の憲法は第二次世界大戦の終結直後に採択されたものであり、今日の現実に追いついていないのも確かだ。

実際、われわれは何度か改正を試みてきたが、現状では非常に難しいと認めなければならない。国会で可決されなければならないので、政権の考えで簡単に変えられるようなものではない。

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