【Newsweek独占】訪米中の菅首相が単独取材で答えた「日米関係」「中国問題」「東京五輪の行方」
Exclusive: Japanese Prime Minister Yoshihide Suga, Biden's First Foreign Visitor, on the Challenge of China
Eugene Hoshiko-Pool-Reuters
<訪米中の菅義偉首相に本誌英語版編集長らが単独インタビュー。バイデン時代の日米関係や香港・ウイグル問題が世界の批判を集める中国への対応、コロナ禍での東京オリンピックの開催可否を聞いた>
世界は未だ新型コロナウイルスと苦闘し、日本とアメリカを含む先進国経済は十分回復せず、中国との関係はますます緊張する――そんな激動のタイミングで、日本の菅義偉首相がワシントンを訪問した。
今月16日にジョー・バイデン米大統領と3時間近く会談した翌日、菅首相はニューズウィークの独占インタビューに応じた。
(聞き手はデーブ・プラガド・ニューズウィーク・メディア・グループCEOとナンシー・クーパー編集長、ワシントン特派員のビル・パウエル)
――あなたはバイデン大統領が就任後、最初に会った国家指導者だ。このことは重要なメッセージであるように思える。アメリカにとって日本は今や、イギリスと肩を並べる「特別な関係」にある、という識者も多い。日本は地域でアメリカのためにどんな役割を果たすのか。また、日米関係が機能するようバイデン大統領と個人的な関係が必要だと思うか。
私はバイデン大統領が就任後に初めて直接会う外国の指導者として迎えられた。このことが、彼自身や米政府が日本をとりわけ重要視している証拠だ。
自由や民主主義、基本的人権また法の支配といった普遍的価値観を共有する日米同盟は、インド太平洋地域と国際社会の平和と繁栄に重要な基盤である。現在の地域情勢と厳しくなる安全保障環境を背景に、同盟の重要性はいっそう強まっている。
これまで私はバイデン大統領と電話、ビデオ会議で2度対話したが、直接会ったのは今回が初めてだ。個人レベルの信頼構築を築くためここに来た。そして、会うとわれわれはすぐ意気投合した。
2人とも政治家や国家の指導者となる道を歩んできたので、数年来の友人のように感じ、すぐに打ち解けた。
彼は家族の写真を見せながら、亡くなった息子や彼の父親、その父親から学んだことについて語ってくれた。個人的な記憶についても長い時間話してくれた。
この話の流れの中で、自由で開かれたインド太平洋地域というビジョンを具体化する上で、日米が主導的役割を果たすことについて合意することができた。
バイデン大統領とわれわれの強力な関係に基づき、このビジョンに根付いた普遍的価値観が日米から、そして(日米豪印の)「クアッド」を含む多国間の枠組みを通じて世界に広まることを望む。このことが世界の幸福実現につながると信じている。