ニュージーランド、米関税でGDPが予想下回る可能性=中銀チーフエコノミスト

4月15日、ニュージーランド準備銀行(中央銀行)のチーフエコノミスト、ポール・コンウェイ氏は講演で、トランプ米大統領による輸入品への関税の引き上げと世界の貿易政策を巡る動きの不確実性により、ニュージーランドの国内総生産(GDP)と世界の経済活動が予想を下回る可能性があるとの見方を示した。写真はニュージーランド中銀の正面玄関。2017年7月、首都ウェリントンで撮影(2025年 ロイター/David Gray)
[ウェリントン 15日 ロイター] - ニュージーランド準備銀行(中央銀行)のチーフエコノミスト、ポール・コンウェイ氏は15日の講演で、トランプ米大統領による輸入品への関税の引き上げと世界の貿易政策を巡る動きの不確実性により、ニュージーランドの国内総生産(GDP)と世界の経済活動が予想を下回る可能性があるとの見方を示した。
コンウェイ氏は「現段階ではニュージーランドのインフレ率への影響はあいまいだが、リスクを巡るバランスは下振れした」と指摘。経済成長率とインフレ率の下振れリスクがあるとし、中銀が今月の金融政策委員会で言及したように状況次第では政策金利を追加で引き下げる余地があると語った。
トランプ氏の関税強化を背景に世界の金融市場が乱高下しており、政策当局は景気後退リスクの高まりへの対応を進めている。コンウェイ氏は「それは簡単なことではない。世界中の多くの人々がこのような変化に苦しんでいると思う」とした上で、中銀はさまざまな種類の不確実性の影響について理解を深める取り組みをしていると説明した。
コンウェイ氏はまた、中銀が四半期GDPの動向をタイムリーに伝える経済指標「キウイGDP」を導入することも明らかにした。幅広い経済指標を使って毎週更新する指標で、コンウェイ氏は「ニューヨーク地区連銀が発表している指標とよく似た動的要因モデルだ」と説明した。
ニュージーランド当局はGDPの公式データを四半期ごとにしか発表していない。