東京五輪開幕まで100日、難しいコロナ対策 猛暑との両立も課題
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東京五輪・パラリンピックの開会式まであと100日、開催国の日本では新型コロナウイルスの感染が再び拡大している。写真は3月、南相馬市で撮影した聖火(2021年 ロイター/Issei Kato)
東京五輪・パラリンピックの開会式まであと100日、開催国の日本では新型コロナウイルスの感染が再び拡大している。聖火リレーは限定的な形で実施され、大会自体も前例のない特別な形での開催になることが確実だ。大会組織委員会の中村英正・大会開催統括は、順調に準備が進んでいるとする一方、事態が流動的なコロナ対策の難しさを指摘する。暑さとマスクの両立も課題だという。
100日後に迫る東京大会は、海外からの観客を受け入れないことがすでに決まっており、国内の観客の扱いが焦点となっている。4月中に観客数の上限が決まる見通しだが、中村氏は12日、ロイターの取材に対し、「4月中に決めきれるかというと、5月、6月にどういうふうにコロナがなってくるかわからない」と指摘。「4月中にどういうプロセスで何を決めていくのかということを整理できればと思う」と述べた。
観客の上限数は、日本国内で現在行われているスポーツイベントに適用されているルールに準ずるという。中村氏は「特別にオリパラだから(条件を)緩くするとかということは、基本的にはないと考えている」と語った。
コロナ対策、罰則より納得が重要
組織委など大会主催者は2月、コロナの感染防止対策をまとめた「プレイブック」の第1版を公表した。4月中に第2版を出すが、中村氏は「(開会式の)3カ月前ということで、完璧なものは難しいと思う。今の時点のものを示して、いろいろ意見をもらい、6月(公表予定)の最終版に向け、一歩一歩進めていきたい」と述べた。
ルールに違反した場合の罰則を最終版に盛り込むかどうかについては「罰則で縛ろうということではなく、具体的に選手村や競技会場でどういうことを守ってもらうのか、わかりやすく書くことが大事」だとし、説得力のあるルールブックを作っていく考えを示した。