よく眠るために必要なのは、睡眠時間を削ること
4週間の熟睡プログラム
モズリー氏が提案する熟睡プログラムは、4週間が目安になっている。ここでは「睡眠制限療法」を紹介する。まず準備段階として、プログラム開始1週間前からプログラム終了まで睡眠日記をつける。じぶんの睡眠を評価し、睡眠効率(実際に眠っている時間)を計算するためだ。たとえば、8時間ベットで過ごし、実際に眠っていた時間が6時間だとすると、睡眠効率は、6/8=0.75%ということになる。プログラムの終了までに目指すのは、睡眠効率85%である。
プログラム第1週
睡眠制限療法では、ベッドにいる時間と実際の睡眠時間と同じにして、起床時間は変えない。その際、4つのルールがある。
1、ベッドにいる時間が5時間を下回らないようにすること。
2、時間を厳密に守ること。
3、日中、横になったり昼寝をしたりしないこと(家族に頼める人は、眠っていたら起こしてもらうようにしよう)。
4、日中の眠気がひどい場合は、車の運転や機械操作を避けること。(182ページ)
プログラム第2週
睡眠制限療法の振り返りを行う。睡眠効率が85%まで改善していたら、ご褒美としてベットにいる時間を20分伸ばす。改善していない場合は現状維持を続けるか、ベットにいる時間をさらに20分短くする。
プログラム第3週
ここまでで、睡眠効率が85%まで上がっていたら、ベットにいる時間をさらに20分増やす。しかし、それほどの改善が見られない場合は、ベットにいる時間をさらに20分減らす。ただし、ベットにいる時間が5時間を下回らないように注意が必要だ。
プログラム第4週
睡眠制限療法を継続している場合は、ベットにいる時間が長くなっても、睡眠効率85%を継続していれば、ご褒美としてベットにいる時間をさらに20分増やす。ほとんどの人は、4週間の睡眠制限療法で睡眠問題は解消される。しかし、まだ改善が見られない場合は、最長8週間まで継続することができる。
もうひとつのアプローチである食事では、食物繊維が豊富な発酵食品を食べて、体内の微生物に栄養を与えることが必要になる。その際、体重やウエストサイズ、血糖値などを測定することもすすめている。睡眠を改善することにより、元気になることを実感すれば、やる気もわいてくるからだ。また、寝室や寝具などの環境を整えることも重要になってくる。その際、マインドフルネス、呼吸法などを取り入れることで、さらなる効果が期待できそうだ。
人生のおよそ3分の1を費やすのが睡眠である。まずは、自分の体内時計が早く進む人(朝型)なのか、遅く進む人(夜型)なのかを把握し、その上で、本書が紹介している入眠潜時テスト(スプーン・テスト)(77ページ)や睡眠潜時反復検査(79ページ)で、睡眠が足りているかどうか自分の睡眠状態を把握することからはじめたい。
『4週間で誰でも寝つきがよくなる 最速入眠プログラム』
マイケル・モズリー 著
井上麻衣 訳
CCCメディアハウス
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