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軍事クーデターミャンマー軍がクーデター、スー・チーらの身柄拘束 与党は抵抗を呼びかけ
ミャンマー軍は、「選挙不正」を受けてアウン・サン・スー・チー国家顧問(写真)や与党幹部らを拘束したと発表した。インドで1月27日撮影(2021年 ロイター/Thar Byaw)
ミャンマー国軍は1日、与党・国民民主連盟(NLD)を率いるアウン・サン・スー・チー国家顧問、ウィン・ミン大統領ら幹部を拘束し政権を奪取した。
軍は傘下のテレビ局を通じて声明を発表し、「選挙の不正」を受けてスー・チー氏らNLD幹部を拘束したと主張。期間を1年とする「非常事態宣言」を発令し、ミン・アウン・フライン国軍司令官が国家権限を掌握したとした。
1日には、NLDが地滑り的勝利を収めた昨年11月8日の総選挙後初めて、議会が招集される予定だった。
2011年の民政移管後2度目となる11月の総選挙でNLDは得票率83%で圧勝。これを受け、政府と国軍の対立が激化しクーデターの懸念が強まっていた。
国軍は非常事態宣言を発出する声明で、選挙管理委員会が有権者リストに関する苦情に対応せず、議会の新たな会期延期への要請を拒否し、選挙結果に不満がある団体の抗議も突っぱねたことを理由に挙げた。
「この問題が解消しない限り、民主主義への道筋が阻害されるだろう。このため、法に則り解消する必要がある」とし、国家主権が脅かされている場合の非常事態に関する憲法の規定を根拠として挙げた。
スー・チー氏は国民に対し、国軍のクーデターを受け入れずに抵抗するよう国民に訴える声明をNLDを通じて出した。「国軍の行動は独裁体制を復活させるための行動だ」とし、「国民にはこれを受け入れずに、国軍のクーデターに対し、心から抗議するよう訴える」と述べた。
首都ネピドーと最大都市ヤンゴンは電話が不通となっており、国営テレビ局は放送を停止している。ヤンゴンでは食料や日用品を買いだめるために人々が市場に殺到し、銀行のATMの前にも行列ができている。
ヤンゴンの住民らによると、市庁舎には兵士が配備され、NLDの本部では携帯電話のデータ通信や通話に障害が起きている。インターネット監視サービスのネットブロックスによると、インターネットもつながりにくくなっている。
NLDのミョー・ニュン報道官はロイターの電話取材に、スー・チー国家顧問、ウィン・ミン大統領、その他幹部が1日未明に「拘束された」と述べた。「国民には早まった反応は控え、法に則り行動することを求める」と語り、自分自身も拘束される見込みだと続けた。その後、報道官とは連絡が取れなくなった。
ある議員はフェイスブックに地方議員が拘束されている様子を撮影したとみられる動画を投稿。地方議員の夫は泣いている子供を連れ、入口の外に立つ軍服の男性に懇願している。
米ホワイトハウスのサキ報道官によると、バイデン大統領はスー・チー氏らの拘束について説明を受けた。
ブリンケン米国務長官は声明で「米国は、民主主義や自由、平和、発展を求めるミャンマー国民とともにある。軍部は即時に行動を撤回すべきだ」とした。
国連のグテレス事務総長は、アウン・サン・スー・チー国家顧問らの拘束を強く非難し、国民の意思を尊重するよう軍に要請した。国連のデュジャリック報道官が31日、明らかにした。
オーストラリア政府も「ミャンマー軍部が再び国の支配権を握ろうとしているとの報道を深く憂慮している」とし、不当に拘束されたスー・チー氏らの即時解放を求めた。
加藤勝信官房長官は1日午前の会見で、同日朝にミャンマーの現地大使館からスー・チー氏ら拘束の報告を受けたとし、大使館を通じて詳細な情報を確認中だとした。日本政府としては、当事者が対話を通じて平和裏に問題を解決することが重要と考えており、これまでも関係者に対してその旨を働き掛けてきたところだと説明した。
*内容を更新しました。
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