低所得国の債務問題、不確実性が逆風に 円卓会議開催

4月23日、 低所得国の債務問題を話し合う「世界ソブリン債円卓会議」が23日、国際通貨基金(IMF)と世界銀行の春季会合に合わせて開催された。写真はIMFのロゴ。ワシントンで2024年11月撮影(2025年 ロイター/Benoit Tessier)
Andrea Shalal
[ワシントン 23日 ロイター] - 低所得国の債務問題を話し合う「世界ソブリン債円卓会議」が23日、国際通貨基金(IMF)と世界銀行の春季会合に合わせて開催された。
共同議長を務めたIMF、世銀、20カ国・地域(G20)議長国の南アフリカは、債務再編プロセスの改善に向けたさらなる取り組みと債務国の支援が必要だと表明。債務再編の手続きを整理した新たな指針を公表した。
円卓会議には債権者、債務国、民間部門の代表、債務の専門家、金融・法律アドバイザーが参加。返済遅延が発生していない国でも、公的二国間債権者との債務再編手続きに入れば、返済猶予が可能となる点を確認した。
IMFの幹部は、新興国・途上国の債務の安定性に対するリスクはおおむね抑制されているが、貿易摩擦の激化で基本シナリオを巡る不確実性が「著しく」高まっていると指摘。「多くの逆風」があり、特に、輸出依存度が高く、米国の関税や商品価格の下落、金融環境の引き締まりなどの影響を受けやすい国が課題を抱えていると述べた。
その上で、重い返済負担への対処が急務であり、状況は現在の環境下で一段と深刻化しているとの認識を示した。