米実業家ビゲロー、「死後の世界」の証拠示す論文に懸賞金
Businessman Offers $1M to Anyone Who Can Answer: Is There Life After Death?

ビゲロー(左)とNASAの宇宙飛行士。自らの宇宙ベンチャーで試作した折り畳み式の宇宙ポッド(2019年9月12日、米ラスベガス) Steve Marcus-REUTERS
<「地球上の人類48億人すべてが直面する最も重要な問題」とは本人の弁。賞金総額は約100万ドル>
アメリカの実業家ロバート・ビゲロー(75)と言えば、ホテルチェーンのオーナーにして宇宙ベンチャー「ビゲロー・エアロスペース」の経営でも知られる人物だ。そんな彼が、「肉体的な死の後も人間の意識が残っている」ことの証拠となる論文のコンテストを行うと言い出した。賞金総額は100万ドル近く。
昨年初めに妻のダイアンに先立たれたビゲローは6月、人間の死後に関する研究を促進する目的で「ビゲロー意識研究協会(BICS)」を設立。今回のコンテストを主催したのもBICSで、死後も人間は存在し続けることを示す、今ある限りで最もしっかりした証拠を集めたいという。
1位となった論文には賞金50万ドルが贈られる。2位と3位の賞金はそれぞれ30万ドルと15万ドルだ。
「興味深い証拠があるにもかかわらず、西側世界において、死後の人間の意識の存続を調べる研究グループや研究に投じられる資金は驚くほど少ない」と、BICSのウェブサイトには書かれている。「この地球上の78億人の人類はすべて、いつかは死ぬ。にもかかわらず、人類が直面しているたぶん最も重要で根本的な問いに関する質の高い研究はほとんど行われていない」
「宇宙人研究」にも資金提供の過去
また、こうも書かれている。「この根本的で時代を超えたテーマに関する世間の関心を高め、研究を促進することを通して社会に奉仕したい」
「われわれが求めているのは『合理的な疑いを差し挟む余地のないほど』きちんとした証拠だ」ともある。そうした証拠があれば人々が宗教や哲学を超えるきっかけとなり、人々の持つ認識や文化も大きな衝撃を受けることになるという。
ちなみにビゲローは宇宙人の存在に関する研究への資金提供でも知られる。彼はUFOや宇宙人に関する情報を扱うニュースサイト「ミステリー・ワイヤー」に対し、身近な人々の死がきっかけで死後の世界に関心を持つようになったと語っている。
「私にとってはとても重要なことだ。死後の世界とは何なのか。(生前に)どう備えておくべきなのか。この世での生き方によって左右されることはあるのか」とビゲローは語っている。
BICSのウェブサイトによれば、コンテストの参加資格は少なくとも5年間、死後の世界について研究していること。研究実績などに関する予備審査を通過した人だけが論文を提出できる。論文の締め切りは8月1日で、専門家らの審査を経て最終結果は11月1日に発表される予定だ。