韓国またも宗教団体がクラスター発生源に コロナ陰謀論唱えるキリスト教団体など各地で感染拡げる
最終的に520名の感染者を生むこととなった尚州市にある宗教施設BTJ列邦センター YTN News / YouTube
<「コロナはゲイツなどエリートによる陰謀」と信者に話す教団でクラスターが......>
これまで新型コロナウイルスの感染拡大を、独特のアイデアと行動力で乗り越えてきた韓国。ドライブスルー検査やスマホの位置情報をもとにした感染者追跡などは世界中から注目されてきた。
昨年末には感染第3波が到来したが、すぐに具体的な防疫対策強化がとられて、感染者数も徐々に落ち着きを見せはじめた今、またしても宗教団体からのクラスターが発生し、韓国民の怒りをあつめている。
宗教団体からの深刻なクラスター発生は、韓国ではなんと今度で3回目だ。1度目は新型コロナウイルスの感染が深刻化しはじめた昨年2月、韓国内での感染を拡大させるきっかけともなった大邱市での「新天地イエス教会」でのクラスターだ。
狭い礼拝堂で密になってのミサや、信者らが別の教会の信者を装って、こっそりと宣教をして回るという手口で、韓国全土へ一気に感染が拡大してしまった。
感染第2波を引き起こした極右の教会
そして2度目は、韓国に第2波が直撃した8月の「サラン第一教会」によるクラスターである。
この教会は宗教団体でありながら、極右的政治団体としての活動も行っており、昨年8月15日には集会禁止令を無視して文在寅政権糾弾デモ集会を決行した。
後日行われるであろう警察によるデモ参加者の追跡調査を逃れるため、数日前からクレジットカードの使用禁止や、GPS対策としてスマートフォンの電源を切っておくよう指示するなど、故意に捜査を混乱させ問題となった。
結果、デモ集会ではサラン第一教会代表であるチョン牧師を含む650名を超える信者が感染し、その後2次・3次感染と全国に拡大していった。
コロナ禍でも1泊2日の集会を開催
そして、今年1月。3度目となる宗教団体によるクラスターは、慶尚北道の尚州市にある宗教施設BTJ列邦センターから発生した。BTJ列邦センターのBTJとは、"Back To Jerusalem"(もしくはJesus)を意味するという。ここは、1983年に設立された韓国の改新教の一つである宗教団体「InterCP」の教育施設である。
InterCPは、BTJ列邦センターで定期的に1泊2日の集会が行われていたそうだ。昨年10月9・10日には600名規模の集会が行われたが、そこでは「コロナウイルスは、ビル・ゲイツを含む一部のエリートたちによって作られたもの」という陰謀論的な発言があったという。
さらに、InterCP代表チェ・バウル氏は、7月に京畿道の教会での説教にて「DNAワクチンを打てば奴隷になる」という発言をしたことも認めている。これらの発言が示すように、InterCPは新型コロナウイルスに対して偏った考えを信者に唱えている団体だと伺える。