米国務長官に指名されたブリンケンの外交語録
What Antony Blinken Has Said about Key Foreign Policy Issues
オバマ前政権で国務副長官などを務めた経験豊富なブリンケン Christian Hartmann-REUTERS
<ロシアと北朝鮮に甘く中国と同盟国には厳しかったトランプ政権の外交は正常化するか>
米大統領選で勝利を確実にしたジョー・バイデンは、アンソニー・ブリンケン(58)を次期政権の国務長官に指名すると発表した。
ブリンケンはバラク・オバマ前政権で国務副長官や国家安全保障問題の大統領副補佐官を務めた。当時、副大統領だったバイデンの国家安全保障問題担当補佐官も務めていた。
CNNによれば、ブリンケンはオバマ政権の外交政策チームの要として、ロシアのクリミア併合や同じくウクライナ分離主義勢力への加勢、アメリカが2011年に行ったウサマ・ビンラディンの潜伏先急襲、イラクとシリアでの過激派組織「イスラム国(IS)」との戦いで中心的な役割を果たした。
指名が承認されれば、ブリンケンは「国際社会でのアメリカのリーダーシップを取り戻し、同盟諸国との関係を修復・強化し、世界中で民主主義と人権を擁護していく」というバイデンの公約を実行していくことになる。
アメリカ分断の隙を突かれた
ブリンケンはロシアに対して強硬姿勢を支持してきた。オバマ政権時代にロシアによるウクライナ侵攻やクリミア併合に抵抗した自身の経験や、ウクライナ東部で今もロシアが反政府勢力を支援して、ウクライナ政府との紛争を続けていることが理由だ。
またオバマ政権時代、ロシアはシリア内戦において、バシャル・アサド大統領による反体制派の弾圧を支持するようになり、その後も海外での暗殺や政治介入を続けている。
ブリンケンは2014年、ブルッキングス研究所のイベントで、ロシアを孤立させることは「重要だ」と語り、こう説明した。「ウラジーミル・プーチン大統領が自らと国の強さを測る基準の1つは、ロシアが地政学的に影響力を及ぼせる範囲の大きさだ。国際社会でロシア政治的に孤立させれば、その自信を弱めることができる」
また9月には、ドナルド・トランプ大統領の誕生によってロシアや中国のような国が得をしており、これらの国がアメリカ政治の分断を深刻化させようとしているとも警告した。「アメリカの民主主義が後退しており、ロシアや中国などの専制国家がそれを悪用しようとしている」と彼はCBSニュースに語った。