米重機キャタピラー、コロナ対策で自動運転技術に賭ける

米建設機械大手キャタピラーが自動運転分野に力を入れている。写真は機械を遠隔操作するキャタピラー・コンストラクション・デジタル・アンド・テクノロジーの担当者。スペインのマラガで撮影。写真はキャタピラーが提供(2020年 ロイター)
米建設機械大手キャタピラーが自動運転分野に力を入れている。作業員が乗り込んで操縦する必要がなく、鉱業企業などの顧客が新型コロナウイルスの大流行で感染防止策を迫られる中で、将来有望な市場と見込んでいるためだ。
ロイターが入手したキャタピラーの社内データによると、今年の採掘作業向け自動運転技術の売上高は前年比で2桁の伸びとなっている。半面、ブルドーザーや採掘用トラックなど他の建機はこの9カ月間に販売が落ち込んでおり、これは小松製作所<6301.T>や米ディアなど他の建機大手も同様だ。
キャタピラーの建設デジタル&テクノロジー部門のフレッド・リオ氏は、数マイル離れた場所から操縦可能な遠隔操作技術を来年1月に市場に投入すると明らかにした。
リオ氏によると、キャタピラーは宇宙関連機関と協力し、衛星を使った技術の開発も進めている。この技術を使えば、米国にいる作業員が世界中のどこの現場の建機とも交信可能だという。
しかしキャタピラーが自動運転分野重視の戦略を採用したのは、新型コロナ流行が始まってからではない。同社創業以来の経営不振を受けて、増収計画の一環として2017年にこうした戦略に着手した。
ただ、自動運転技術はまだ開発から日が浅く、キャタピラーの経営全体から見れば、極めて小さな部門にすぎない。同社は自動運転分野の売上高を公表していないが、いくら需要が高まっているといっても、近い将来、売上高全体の中で大きな比重を占めることはないだろう。キャタピラーの昨年の総売上高は約540億ドルだ。
研究・開発に数十億ドルを投じるキャタピラーにとって、自動運転技術はコスト面の負担も重い。しかし自動運転や遠隔操縦の技術が新型コロナ大流行後も長期にわたって需要を維持できるか不透明で、ハイテクがけん引する生産性向上により建機の新規販売が落ち込む恐れがある。
高まる熱狂
しかし自動運転技術は、これまでキャタピラー製建機の購入が少なかった顧客からの受注に貢献している。
資源大手リオ・ティントは昨年、オーストラリアのクーダイデリ鉄鉱山の作業向けに自動運転トラック、遠隔操縦方式のブラストドリルやローダーなどをキャタピラーから購入した。リオ・ティントはこの契約についてコメントを避けた。
鉱業界では既に自動運転トラックや遠隔方式のロードホールダンプなどでこうした技術が部分的に導入されていた。しかし新型コロナの感染拡大によるロックダウンで普及が加速した。
小松製作所で自動運転技術を担当するアンソニー・クック氏は、新型コロナ流行で顧客の多くが設備投資計画を前倒しし、自動運転の導入を進めていると述べた。新型コロナ危機は自動運転分野にとって打撃ではなく、「むしろ熱狂の度合いが高まった」という。