最新記事

地球温暖化

35度超の猛暑日が急増する日本 学校の対応は生徒の命に関わる

2020年9月9日(水)13時45分
舞田敏彦(教育社会学者)

この数十年で暑さのレベルが激変したことへの学校関係者の認識は不可欠 Kasei/iStock.

<長い夏休みを挟んだ2学期制など、長期休暇を夏季に集中させる対策も必要>

今年の夏も酷暑の日が続いた。新型コロナの感染も怖いが、熱中症はもっと怖い。死者数でいえば後者が圧倒的に多く、「熱中症死者100人」というワードがツイッターでトレンド入りした。

熱中症死者の8割が、屋内でエアコンをつけていない状態だったという。エアコンがあるのにつけなかったのか、なかったのかは定かではない。今となっては、夏場でのエアコンの使用は必須だ。冷房嫌いでつけない人には啓発をし、経済的理由で持てない人には費用の補助が求められる。暑さを感じにくい高齢者は、特に要注意だ。

昔と比べて気温が上昇していること、すなわち暑くなっていることは、データではっきりと可視化できる。<図1>は、東京の8月の気温をグラフにしたものだ。それぞれの日の最低気温と最高気温を高低線の両端で表し、平均気温にはドットを打っている。1920年と2020年の図を左右に並べてみた。

data200909-chart01.jpg

100年間の変化は一目瞭然で、チャートが上の方にシフトしている。大正期では真夏といえど最高気温が30度を超えた日は半分もなかったが、今では1日を除く全ての日がこのラインを越え、35度を超えた日も11日(3分の1)ある。真夏日のラインは昔は30度だったが、現在では35度になったと言っていい。100年間で5度も上がっている。

<関連記事:政府が教育にカネを出さない日本に未来はあるか
<関連記事:日本は事実上の「学生ローン」を貸与型の「奨学金」と呼ぶのをやめるべき

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

独クリスマス市襲撃、容疑者に反イスラム言動 難民対

ワールド

シリア暫定政府、国防相に元反体制派司令官を任命 外

ワールド

アングル:肥満症治療薬、他の疾患治療の契機に 米で

ビジネス

日鉄、ホワイトハウスが「不当な影響力」と米当局に書
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:アサド政権崩壊
特集:アサド政権崩壊
2024年12月24日号(12/17発売)

アサドの独裁国家があっけなく瓦解。新体制のシリアを世界は楽観視できるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 3
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    【駐日ジョージア大使・特別寄稿】ジョージアでは今、…
  • 5
    トランプ、ウクライナ支援継続で「戦況逆転」の可能…
  • 6
    「私が主役!」と、他人を見下すような態度に批判殺…
  • 7
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 8
    「オメガ3脂肪酸」と「葉物野菜」で腸内環境を改善..…
  • 9
    「スニーカー時代」にハイヒールを擁護するのは「オ…
  • 10
    「たったの10分間でもいい」ランニングをムリなく継続…
  • 1
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 2
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──ゼレンスキー
  • 3
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 4
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達し…
  • 5
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医…
  • 6
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 7
    【クイズ】アメリカにとって最大の貿易相手はどこの…
  • 8
    「どんなゲームよりも熾烈」...ロシアの火炎放射器「…
  • 9
    【駐日ジョージア大使・特別寄稿】ジョージアでは今、…
  • 10
    ウクライナ「ATACMS」攻撃を受けたロシア国内の航空…
  • 1
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 2
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 5
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 6
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命を…
  • 7
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 8
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 9
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 10
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中