35度超の猛暑日が急増する日本 学校の対応は生徒の命に関わる
上記は東京のデータだが、地域差もある。8月31日間の最高気温の平均値を、各地域の暑さの指標として算出してみる。東京の場合、2020年8月の31日間の最高気温平均値は34.1度だ。この数値を県別に出し、地図にすると<図2>のようになる。
左は1980年、右は2020年の地図だが、全国的に気温が上がっているのが分かる。1980年では30度を超える県が4府県だけだったが、今年では北海道と青森を除く全都府県で30度を超え、41の都府県で32度を超えている。列島の猛暑化だ。
なお過去40年間の気温の伸びは都市部で大きい。東京は26.6度から34.1度まで上がったが、南端の沖縄は31.7度から32.2度と微増にとどまる。現在では、沖縄よりも東京や大阪のほうが暑い。人工排熱が多い都市部では気温が上がる、ヒートアイランド現象が顕著になってきている。
今の大人が子どもだった頃とは、暑さのレベルが違う。真夏の屋外でのスポ根指導などは命に関わる。教室のエアコン設置は進んでいるが、温度規制があり、コロナ対策で換気もしないといけないため効果は薄れがちだ。暑さ指数(WBGT)に基づき臨時休校の基準を定めている自治体もあるが、これは当然のことだ。
地域によっては、長期休暇を夏場に集中させることも必要になる。学校教育法施行令第29条によると、学期の決定権は自治体の教育委員会にある。長い夏休みを挟んだ2学期制など、多様な形態が考えられていい。全ての子どもに一定の質の教育を保障するやり方は、一律ではない。
<資料:気象庁ホームページのデータベース>
<関連記事:政府が教育にカネを出さない日本に未来はあるか>
<関連記事:日本は事実上の「学生ローン」を貸与型の「奨学金」と呼ぶのをやめるべき>