韓国、コロナショック下でなぜかレギンスが大ヒット 一方で「TPOをわきまえろ」と論争に
コロナの影響で韓国では「レギンス」が空前のブームとなっている。rudi_suardi - iStockphoto
<コロナ禍のなか、ファッション業界の一部では売上が伸びている。そこには各国の自己表現の違いも──>
今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、様々な業界において景気の悪さを耳にすることが多いが、アパレル・ファッション業界も厳しい状況に追い込まれている。海外ブランドの日本撤退や売り上げ低迷などの暗いニュースが続いているが、意外にも売り上げを伸ばしているアイテムがあるという。
多くの企業がテレワークを取り入れ、ビデオ会議を活用するようになった。また、なかなか会えない友人らとZOOM飲み会が流行った結果、日本ではシャツやブラウス等トップスの売り上げが去年を上回るほど好調なのだという。ボトムは見えなくても上半身は変えたいという需要が広がっているためだと言われている。
最近若者の間ではその流行が注目されているお隣の国・韓国でも、今年はアパレル・ファッション業界が厳しいようだ。今月22日発表された統計によれば、サムスン物産ファッション部門第1四半期の売上高は3770億ウォンと9.4%減少し、営業利益も10億ウォンで90%も急減している。
コロナ禍なのにレギンス売上が前年200%に増加
ところが、こちらも意外なアイテムの売り上げが好調なのだという。トップスの売り上げを伸ばす日本とは逆に、韓国ではボトムスとして「レギンス」が空前のブームとなっている。
レギンスの売り上げが急増したのは、今年の5月頃からで、突然売り上げが200%以上もアップした。韓国でも日本同様ヨガやジムでのスポーツウェアや、スカートなどの下にファッションとして着用する人は多かったが、何が原因で注目を集めることになったのだろうか。
理由として考えられるのは、コロナ感染を避け家にいることが多くなり、楽な服装を求めつつ部屋着ではなく外にも出られる服を買う人が多くなったこと。また、インスタグラムのハッシュタグ「#レギンス登山」が流行の引き金になったと言われている。
感染拡大が収まり外出が可能となっても、密を避けて人のいない山で登山を楽しむ人が増えた。元々韓国人は登山好きだったが、ここにきてSNSを中心にレギンス着用での登山写真が流行ったことから、山登りに着用する女性が増えたようだ。その流れから、スポーティー系ファッション好きな韓国女性達の間で、アメリカのように街中でもズボン代わりとしてレギンスを履く人が増え始めている。