黒人男性の遺体が吊るされて発見された事件でFBIが再調査、一方で3人目の遺体も発見
FBI Reviewing Investigations of Recent Hangings as Third Man Found Dead
フラーはリンチの被害者だ、と訴える女性(6月13日、カリフォルニア州パームデール) Ringo Chiu-REUTERS
<絞首刑のような状態で見つかった黒人男性はこれで3人目。自殺なのか、おぞましい過去のリンチがよみがえったのか>
ロバート・フラーとマルコム・ハーシュという2人の黒人男性が相次いで亡くなった件をめぐる捜査に関して、米連邦捜査局(FBI)と司法省、カリフォルニア州司法長官事務所が再捜査を行うことになった。2人は、50マイル(約80キロ)ほど離れたカリフォルニア州の2つの町で、ハーシュは5月31日に、フラーは6月11日に、どちらも木に吊り下げられた状態の遺体として発見された。
今回の再捜査の決定に先だって、別の男性が木から吊された状態で死亡しているのが発見された。6月15日にテキサス州ヒューストンのシェイディ・エーカー付近で、木に吊された状態の男性の遺体が発見されたのだ。3人目だ。ヒューストン市警の署長はこの男性について「ヒスパニックあるいは白人」と報告している。この男性の死について、ヒューストン市警は「自殺とみられる」と述べている。
FBIは15日、カリフォルニア州の2人の件について再捜査を行うことを認める声明を発表した。「FBI、カリフォルニア州中部を統括する司法長官事務所、そして司法省公民権局は、パルムデール市とビクタービル市でアフリカ系アメリカ人の男性2名が木に吊された状態で死亡していた件について、精力的に再捜査を行っており、連邦法に違反する行為の有無について特定にあたっている」
ロープはどう結ばれたのか
ロサンゼルス郡のアレックス・ビラヌエバ保安官も、15日の記者会見で再捜査について認めた。「私は(カリフォルニア州の)ザビエル・ベセラ司法長官と連絡をとった。今後は、州司法長官のスタッフが、我々のすべての捜査について監督と見直しを行い、見落としがないようあらゆる手を尽くす。私はまた、FBIとも連絡をとっている。われわれは、透明性を保ち、完全な説明責任を果たすため万全を期す」
捜査当局は上記の記者会見で、フラーの死亡現場で見つかったと報告されている物的証拠は、ロープ、およびフラーが身につけていた衣服のポケットやバックパックの中身だけだと述べた。
ロサンゼルス郡保安局のケント・ウェゲナー警部は、現場で見つかったロープについては「科学捜査研究所による物理解析および血清の検査」が行われると述べた。さらに、ロープの「結び目の詳細な調査を行い、どのように結ばれたのかも特定する」という。
捜査当局は今後、遺体の発見現場周辺を撮影した監視カメラの映像を探すと共に、フラーの病歴についても、地元だけでなく、以前の居住地とみられるアリゾナ州とネバダ州での過去の状況を調査する。
一方、テキサス州ヒューストンで吊された状態の死亡男性が見つかった一件は、遺体を撮影した動画がソーシャルメディアで広まり、警察に知らされた。
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