インドネシア、隔離要請に従わない場合は「幽霊屋敷」に収容
イスラム教の断食月「ラマダン」が24日、始まっている......REUTERS/Willy Kurniawan
<世界でさまざまな懲罰付きの「外出禁止令」が出ているが、インドネシアの一風変わった対応策が話題になっている......>
外出禁止令、世界の懲罰
新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるために、世界のさまざまなところで、懲罰付きの「外出禁止令」が出ている。懲罰は、罰金から禁固刑までさまざまだ。
外出禁止令に抵触したら、世界にはどんな懲罰があるかを伝えた英テレグラフによると、英国の場合、もっとも軽く済めば罰金30ポンド(4000円弱)だが、起訴されて有罪となると、無制限の罰金が科される可能性がある。フランスやシンガポールなど複数の国では、禁固刑もあり得るようだ。
オーストラリアでは、12日間のうちに3度、外出禁止令を違反したとされる30歳の男は、最長6カ月の禁固刑に加え、コロナウイルスで命を落とした人たちの棺の動画を強制的に見させられる可能性があるという。
ケニヤでは、暴力を使わずに外出禁止令に従わせるのが難しい場合、警察は「相応の武力」の使用が許されている。そのため、通勤する人たちに催涙ガスを浴びせるといった過激な方策が取られ、苦情が寄せられる事態となっている。
いわくつき「幽霊屋敷」での隔離
一方で、インドネシアの一風変わった、「自主隔離要請を無視した人」への対応策が話題になっている。インドネシアのスラゲン県では、県外から来た人は2週間、自主隔離するよう求められている。これを無視した場合、「ついている」といういわくつきの家、いわば「リアル・ホーンテッド・マンション」で、2週間にわたり隔離させられることになるのだ。
インドネシアでは、コロナウイルス拡大がもっとも深刻な首都ジャカルタを中心に、都市部で4月10日から部分的な「ロックダウン」が行われている。部分的な、という理由は、外出禁止令ではなく、集会や移動を制限するものだからだ。当初は14日間の予定だったが、現在は5月22日まで延長されている。
とはいえ、このロックダウンは一部の都市のみが対象となっているため、ジャカルタと同じジャワ島に位置するスラゲン県などでは、こうした制限を嫌った人たちが、都市部から流入してくるのが悩みの種になっているという。