インドネシア、隔離要請に従わない場合は「幽霊屋敷」に収容
デジタルメディアのvice.comによると、スラゲン県では新型コロナウイルスの感染者数は5人だが、その全員が県外から来た人だった。そこで、スラゲン県のクシュディナール・ウントゥング・ユニ・スコワティ知事は、県を封鎖しない代わりに、県外から来た人たちに対し、同県に到着したら14日間の自主隔離をするよう求めた。
知事は一方で、県内の各地区に対し、「霊がついている」とされている家を用意するよう呼びかけた。自主隔離要請を無視した人を収容する施設として使うのだ。捕まったら、「幽霊屋敷」に入れられて外からカギをかけられ、隔離期間の残りをそこで過ごすことになる。vice.comによると、22日の時点で5人が幽霊屋敷で隔離生活を送っていた。
「幽霊は見ていないけど要請無視を後悔」
インドネシアの英字紙ジャカルタ・ポストによると、スラゲン県のセパト村では、長年放置されていた物件が「幽霊屋敷」として選ばれた。距離を置いて設置されたベッドはカーテンで仕切られ、これまで3人がここで隔離生活を送った。そのうちの1人で、スマトラ島から帰省中に捕まってしまったというヘリ・スサントさんは、「今のところ」幽霊は見ていない、とAFPに語ったという。
vice.comによるとスサントさんは、スラゲン県に帰省してすぐ、子どもにおもちゃをせがまれて街へ買い物に出たときに捕まってしまった。隔離中は家族にも会えなかったとのことで、知事の要請を無視したことを後悔しているし、安全のための措置だと今は理解している、と地元メディアに話したという。
なお、インドネシアのケプー村では4月中旬、夜間の外出を抑制するために、ボランティアの人たちが白い布を身にまとい、「ポコン」と呼ばれる同国に伝わる幽霊に扮してパトロールするという、独特な対策が話題になっていた。