韓国、新型コロナ自宅隔離者の無断外出が続出 犯罪者のような電子リストバンド装着へ
安全バンドはどこまで有効?
折角感染拡大のピークが過ぎようとしているのにもかかわらず、違反者のせいで再び感染拡大が起きることを政府は懸念し、4月5日には早速「感染病予防法処罰条項」が強化されている。今まで「 300万ウォン以下罰金」だった処罰が、「1年以下の懲役または1千万ウォン以下の罰金」に変更され、韓国の素早い対応力を見せつけた。
一方で、安心バンド導入に対し疑問視する声も上がっている。冒頭に書いたように、人間の行動を監視することは人権の侵害である点はもちろん、大多数の人たちが2週間の隔離を守っている中で、一部の守れない人を基準に全員を犯罪者扱いするのはおかしな考え方だという反対意見も多い。
たしかに、5万6856名の自宅隔離者のなかで、2週間以内に外を歩き回ったと報告されたのは106人とされており、全体のわずか0.18%程度である。そのために資金と人力を投入するのに反対する人は多い。
また、この安心バンド装着には強制力はなく、1度違反を犯した者から同意を得て、自発的協力によってつけてもらうことが発表されると、自分勝手に隔離を破るような者たちが一体どのくらい同意をして着けるだろうか、という意見もある。
「自宅隔離者安全保護」アプリは位置情報を通報
韓国コロナ19中央災難安全対策本部は、自宅隔離違法者の続出問題に歯止めをかけるため、この安心バンド以外にもさまざまな対策に知恵を絞っている。
隔離者がスマートフォンにダウンロードしなくてはならない「自宅隔離者安全保護」というアプリも機能がアップデートされた。今までとは異なり、このアプリが一定時間作動されなかった場合、直ちにAIコールセンターや自治体担当者に通報が行き、位置確認が行われる機能が備わった。
このアプリは、韓国への入国者全員が空港でダウンロードし、ログインが確認されなければ入国も許されないという強制力のあるものだ。韓国内の自宅隔離者全体の約87%が海外からの帰国者だと言われているため、このアプリシステムは隔離違法者制御に有効かもしれない。ただし、感染者の濃厚接触者など入国者以外での利用者数は、約60%のみにとどまっており、今後国内での利用度をいかに上げるかが今後の課題だ。