日本の老舗酒蔵が乗り出す高濃度アルコール商品 基本は飲用、でも消毒液の代替品に
厚労省も緊急措置として病院へ使用を許可
こうした状況を受け、厚生労働省は3月下旬、臨時の措置として、高濃度エタノール製品を手指消毒用エタノールの代替品として用いることは差し支えないとの見解を示し、日本病院会に向けても、会員への周知を促した。これにより、酒造メーカーが作る高濃度エタノール製品は、手指消毒用の代替として「お墨付き」を得た格好となった。
経済産業省によると、手指消毒用アルコールの生産は2月が昨年月平均比1.8倍、3月は2.2倍となっている。
サントリーホールディングスは、米国とスペインで消毒液の生産を行っており、カナダでの生産も検討中。日本国内では、法規制はあるものの「いかなる形で協力できるか、前向きに具体的に検討している」(広報担当者)としており、消毒液の製造の検討を進めていることを明らかにした。
また、従来から消毒液を製造している花王は9日、これまでの委託生産中心から、シャンプーなどを製造している自社の4工場に生産を広げるなど体制を整え、4月後半からはこれまでの20倍以上の増産が可能になると発表した。広報担当者は、行政との連携の中で、従来よりも早く製造認可を得ることができたとしている。
(編集:石田仁志)
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