日本におけるPCR検査の拒否状況
取り敢えず、4月7日時点におけるこの一覧表の東京都の欄を見ると、「検査人数」は4,752人とあるが、4月6日は4,422人だったので1日に検査数は330人分増えたことになる。つまり今現在(4月6日から7日の時点で)、東京都の「1日の検査者は330人である」ということになる。そのうちの陽性者は4月6日で1,123人だったが、4月7日では1,203人で1日の陽性者増加分は80人。
このデータは1月15日から4月7日までの数値である。
ということは、さまざまなルートを通して東京都では少なくとも4,757人はPCR検査を受けていることになる。単純平均で東京では1日、わずか58人程度しか検査を受けさせてもらえてないことになるのだ。
あまりに少なすぎる。拒否されていることは事実だろう。
たとえば3月18日のNHKの情報<ウイルス検査「拒否」全国で290件 日本医師会が調査結果公表>によれば、「医師が保健所に検査を依頼しても断られたケースが、26の都道府県で合わせて290件あった」とのこと。やはり医者が検査すべきだとどんなに言っても、保健所が検査をしてくれないというのは今も続いているように思われる。
さらに同報道において日本医師会の釜萢敏(かまやち さとし)常任理事は「地域の体制が十分ではなく、応じられなかったのではないか。公的保険の適用後は検査につながりやすくなったという話もあるが、厚生労働省と改善策を協議したい」と述べておられる。
釜萢氏も検査件数の少なさに関して「地域の体制が十分ではない」と仰っておられるが、まさに4月6日付けコラム<緊急事態宣言と医療崩壊の日中比較:日本を救う道はまだあるのか?>に書いた通り、安倍首相は昨年末まで「地方の病床が13万床も余分にあるので何としても削減せよ!」と厳しく指示していたのだ。中には病院が診療所になり、医療器具も使えなくなった地域もあるという。
病床を減らせということは、こういった病院のスタッフを削減し設備も廃棄してしまえということに等しい。さすがに安倍首相は今では「13万床の過剰ベッドを削減せよ」とは言ってないだろう(と思う)。これに関するその後の動態がなかなかつかめないのだが、今年3月26日付けの中日新聞が<医療危機、イタリアの警鐘 新型コロナ、死者6800人 >という報道の後半部分の<◆日本の公立病院、削減に「待った」 「有事に余裕必要」>という小見出しで以下のように説明している。