日本におけるPCR検査の拒否状況
――日本でも医療費抑制のため病床削減を促そうとする動きがある。厚生労働省は昨年九月、がんなど特定の診療実績が少ない全国四百カ所以上の公立・公的病院の実名を「再編統合の議論が特に必要」として公表。少子高齢化を見据えて病床数を適正化する「地域医療構想」に基づくものと説明するが、病院や自治体の激しい反発を招いた。
公表から半年後の今月十九日に開かれた厚労省の作業部会では、新型コロナウイルス感染症への対応で公立・公的病院が果たす役割が話題になった。全国自治体病院協議会の小熊豊会長は、公立・公的病院が患者受け入れの中心を担っている現状に触れ「こうした有事の際に対応できるよう、常に余裕を持っている必要がある」と主張した。(ここまで引用)
全くその通りだと思う。日本の大手メディアは、なかなかこのことに注目しようとしていないが(検証を期待しているが)、医療崩壊が懸念され、経路不明感染者が急増していく今日、安倍首相が「余分なので削減しろ」と命じた地方の医療機関の活用は大切なのではないだろうか。削減対象となった医療従事者の協力は不可欠だと思う。
安倍首相は4月7日の緊急事態宣言に関する記者会見で「1日当たり2万件のPCR検査を可能にします!」と高らかに述べ「力強く」約束したが、とても程遠い状況と言わざるを得ない。
感染経路不明の感染者数は検査を増やす以外に抑えられない
日本人が注目しなければならないのは、日々更新される感染者数の内、感染経路不明者が全体の70%~80%を占めており、多い時には88%(4月6日、東京都)という場合さえあるという現実だ。
相談しても検査までたどり着けなかった人の中にも、こういった感染経路不明者が潜在しているだろうし、また無症状感染者も数多く身の周りにいるに違いない。
中国の場合は監視カメラがあり、顔認証と身分証番号によって感染者とその濃厚接触者を追跡していくことができる。だから無症状感染者の割り出しも比較的に容易だ。
日本で感染経路が判明しているのは、ライブハウスなど以外は病院や介護施設などの集団感染の場合が多く、クラスター以外、感染者の追跡ということは基本的にできていない。
したがって、せめて検査のハードルを下げて頂かないと、なかなか感染拡大は抑えられないのではないだろうか。