最新記事

2020米大統領選

米大統領選、民主候補争いでバイデンが重要州制す 今後はトランプとの直接対決に照準

2020年3月21日(土)09時14分

新型コロナウイルスと大統領選

NBCニュースとモンマス大学の調査では、大統領選がバイデン氏とトランプ氏の対決になったと想定した場合の支持は、アリゾナ州ではバイデン氏がやや優勢となった。

フロリダ州では、トランプ氏にとってさらに不利な調査結果が示された。同州では今月の新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化する前の時点での調査で、トランプ氏に2期目の続投を認めると考える人の比率が40%だった。

一方、フロリダ州で調査会社を運営しているフェルナンド・アマンディ氏は、新型コロナウイルスの感染が拡大する中でもトランプ氏には激戦州で態勢を立て直す機会が与えられると考える。「今から大統領選当日までには、コロナウイルスによって選挙戦の情勢が何回も変わることがあり得る」と話した。

ロイター/イプソスが17日発表した調査では、トランプ氏の危機対応を支持する人の比率は47%となり、3月上旬から9%ポイント上昇した。

トランプ大統領の側近によると、イタリアなどの国で新型コロナウイルスの感染がいかに爆発的に広がったかを踏まえて米国が直面している危機について、政権内のコロナウイルス対策チームから再三の警告を受け、トランプ氏はウイルスの脅威に対して従来より厳しい姿勢を打ち出した。

こうした中、一部の共和党員は個人的にバイデン氏を手ごわい対戦相手とみている。

ホワイトハウスに近いある高官はバイデン氏について、トランプ政権下で共和党から離れる傾向にありながらも、社会民主主義者を自称するサンダース氏への投票は渋るであろう郊外の女性有権者層に訴えかけ得る候補者として「トランプ氏に代わる選択肢として受け入れられる」人物だと指摘。「バイデン氏は最大の脅威だという私の見解は変わらない」と語った。

アマンディ氏は、現時点では有権者の脳裏にはコロナウイルスしかないとみられる中、両陣営にとって戦略的計画は二の次となって重要性が薄れるかもしれないという。仮に危機的状況が今年長く続けば、コロナウイルスへの対応と説明責任が投票で問われることになるとの見方を示した。

(James Oliphant、Steve Holland記者)

[ワシントン ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


20200324issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月24日号(3月17日発売)は「観光業の呪い」特集。世界的な新型コロナ禍で浮き彫りになった、過度なインバウンド依存が地元にもたらすリスクとは? ほかに地下鉄サリン25年のルポ(森達也)、新型コロナ各国情勢など。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 8
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 9
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中