米大統領選、民主候補争いでバイデンが重要州制す 今後はトランプとの直接対決に照準
郊外で圧倒
フロリダ州の予備選でバイデン氏はマイアミ、オーランド、タンパなどの都市周辺部でサンダース氏に大差で勝利。アリゾナ州ではまだ集計が行われているが、州人口の6割を占めるマリコパ郡ではバイデン氏がサンダース氏を10%ポイントほどリードしている。
バイデン氏は先週、ミシガン州の予備選でも、11月の大統領選で重要な意味合いを持つデトロイト市の周辺部で同様に圧勝している。
フロリダ州の投票率は、新型コロナウイルスの感染拡大で自宅にとどまる人が多かったにもかかわらず、16年を若干上回った。アリゾナ州では郵送による投票数が48万票となり、4年前の投票総数を超えた。
民主党候補指名争いは一時はサンダース氏や同じく左派のウォーレン上院議員が旋風を巻き起こしたが、バイデン氏は国家が緊急事態に直面する中で冷静に指揮を執れる人物として自分を映し出すため、長年にわたる公務の実績を強調した。
エジソン・リサーチの調査では、フロリダとアリゾナの両州で危機対応力はサンダース氏よりもバイデン氏の方が望ましいとの回答が2対1以上の比率になった。
民主党の特別政治活動委員会(スーパーPAC)であるプライオリティーズ・USA・アクションは新型コロナウイルスに伴う危機的状況は、景気が悪化して米国民が日常生活の大きな変更を余儀なくされる中、トランプ氏にとって問題の元凶になると指摘。同委員会の広報担当ジョシュ・シュウェリン氏は「このパンデミックが今後どうなるかは予想できないが、これまでのトランプ氏のひどい対応により、同氏はどの有権者層に対しても一段と脆弱になる」と述べた。
バイデン氏は17日、民主党の運命を左右し得る中南米系有権者の支持が改善した。同氏は勝利宣言の演説で、気候変動や教育、経済改革でサンダース氏に引き寄せられていた若年層有権者にも訴え掛けた。