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新型コロナウイルス中国、WHO調査団受け入れに消極的 先遣隊以降の中国入り日程など決まらず
中国が新型コロナウイルスへの対応で、現場で国際専門家からの支援を受けることに消極的とみられている。専門家や外交官が13日、懸念を表明した。湖北省武漢で8日撮影(2020年 ロイター/CHINA DAILY)
中国が新型コロナウイルスへの対応で、現場で国際専門家からの支援を受けることに消極的とみられている。専門家や外交官が13日、懸念を表明した。
新型ウイルスの調査に向けて、世界保健機関(WHO)が派遣した専門家チームの先遣隊は10日、北京に到着。しかし、正規の国際専門家チーム全体が中国入りする日程など、詳細はいまだに明らかになっていない。
WHOのテドロス事務総長は前日、先遣隊が「良好な進展」を遂げているとし、「一段の情報を近く発表したい」と述べた。正規チームには10─15人の専門家が含まれる見通しとしつつも、人材や中国入りする時期などの詳細には踏み込まなかった。
先遣隊は専門家3人で構成され、カナダ出身のWHO高官らが含まれる。
在ジュネーブの外交官の1人はロイターに対し、専門家チームの中国入りが遅れていることは「懸念」とし、「現時点で予期していた実質的かつ独立した役割は果たしていない」と述べた。
米ジョージタウン大学のローレンス・ゴスティン教授(世界保健法)も「中国が国際チーム招へいに非常に遅れを取っただけでなく、北京にいる先遣隊は骨組みに過ぎず、ましてや湖北省でもない」と指摘した。
同教授はさらに、中国当局が「政治的かつ通商上の相違」を棚上げし、米疾病対策センター(CDC)の専門家を受け入れるかは疑問とし、「残念なことに、中国はCDCの専門家を現場に派遣するという米国の申し出を受け入れていないようだ」と述べた。
CDCは前日、WHOが派遣する専門家チーム参加への打診は受けていないと明らかにした。
ゴスティン教授はまた、新型ウイルス流行に関する重要な情報を巡り、中国当局がWHOの専門家による独立した検証を認めることも予想していないとした。
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