米政府、新型コロナウイルス対策で1億ドル支援 クルーズ船運営会社、中国国民の乗船禁止へ
ポンペオ米国務長官は新型コロナウイルス感染拡大に対処するため、中国や感染の影響を受けている国に最大1億ドルを拠出する用意があると表明した。写真は1月29日撮影(2020年 ロイター/Dado Ruvic)
ポンペオ米国務長官は7日、新型コロナウイルス感染拡大に対処するため、中国や感染の影響を受けている国に最大1億ドルを拠出する用意があると表明した。
ポンペオ長官は声明で「感染拡大への対応で米国の強いリーダーシップを示すものだ」と強調した。
世界保健機関(WHO)のテドロス事務総長によると、新型コロナウイルスによる中国国内での死者は7日時点で637人に達した。同ウイルスについて早期から感染拡大の危険性を指摘し、新型肺炎で同日死亡した中国の医師も含まれる。
中国国内での感染者は計3万1211人。ロイターの算出によると、中国国外では27カ国・地域に拡大し、320人の感染が確認されている。
テドロス事務総長は「この2日間で中国国内での感染者数が鈍化していることは朗報だが、深読みすべきではない」とし、「今後感染例が再び増加する可能性はある」と慎重な見方を示した。
こうした中、クルーズ船運営大手ロイヤル・カリビアン・クルーズは「過去15日以内に中国、香港、マカオに渡航もしくは通過した顧客および乗務員はわれわれのクルーズ船への乗船は許可されない」とする声明を発表。さらに「中国、香港、マカオのパスポート保有者の乗船も許可しない」とした。
米ニュージャージー州当局によると、この日同州に接岸したロイヤル・カリビアンのクルーズ船に乗っていた約20人が新型ウイルスのスクリーニング検査を受け、4人が病院に搬送されたという。
台湾保健当局は週明け10日から、中国本土の大半の都市への航空便の運航を4月29日まで停止すると発表した。北京、上海、成都、厦門(アモイ)への運航は当面継続する。さらに、10日以降に中国、香港、マカオを経由し台湾に到着する旅行者は14日間隔離されるという。
トルコはこの日、中国からのすべての家畜および動物性脂肪の輸入を停止すると発表した。また、保健当局によると、中国から退避した取る国民61人から感染は確認されていないという。
カナダでは、新型ウイルスの震源地とされる中国・湖北省武漢市から退避した同国の国民176人を乗せたチャーター機がオンタリオ州の空軍基地の到着した。同国の保健当局によると、症状が出ている人はいない。また、米国務省のチャーター機で退避したカナダ国民39人も到着した。帰国者は全員、14日空軍基地内に隔離される。カナダ政府のチャーター機2機目は10日に武漢を出発する予定という。