中国、新型肺炎の死者6人に 感染者は海外も合わせ300人突破
中国湖北省武漢市で検出され、感染が広がった新型コロナウイルスによるとみられる肺炎は20日、首都北京や上海などでも感染者が確認された。また新華社によると、国家衛生健康委員会は同日、人から人への感染を確認した。羽田空港で撮影(2020年 ロイター/KIM KYUNG-HOON)
中国湖北省武漢市で検出され、感染が広がった新型コロナウイルスによるとみられる肺炎は20日、首都北京や上海、広東省でも感染者が確認された。また新華社によると、国家衛生健康委員会は同日、人から人への感染を確認した。
中国当局は現地時間20日時点で合計291人の感染を確認。270人は武漢市がある湖北省の患者という。
武漢市長によると、市内での感染者数は258人で、死者は6人となった。
20日時点で浙江省当局は新たに5人の感染を確認、広東省でも14人が確認されたという。北京では5人、上海では2人が確認された。
国家衛生健康委員会は現地時間22日午前10時に会見を開く。
中国以外でも確認されており、総感染者数は301人にのぼっている。
韓国疾病予防対策センター(KCDC)は21日、前日に武漢からソウル近郊の仁川国際空港に到着した中国人女性(35)からウイルスを検出したと明らかにした。国内で感染が確認されたのは初めて。到着時に高熱などの症状があったため、すぐに隔離されたと説明した。[nL4N29P07R]
台湾でも発症例が確認された。
フィリピンでも、武漢市に渡航歴のある中国人の男の子がコロナウイルスの検査で陽性反応を示したが、新型かどうかはまだ判明していない。
先週にはタイで2例、日本で1例の感染を確認。患者は全て武漢からの旅行者、または同市を最近訪問していた。
新型肺炎を調査する中国政府の専門家グループのトップを務める鍾南山氏は、肺炎が人から人へ感染することを確認したが、防疫態勢を強化すれば感染拡大に歯止めをかけることができるとの見解を示した。
コロナウイルスによる重症急性呼吸器症候群(SARS)の対策を率いた実績で知られる鍾氏は、予防措置さえとれば、2002━2003年に世界中に感染が拡大し、800人近くが死亡したSARSのような事態になる危険性はないと語った。
同氏は、感染はまだ初期段階にあり、中国には優れた監視・検疫システムがあるため感染を制御できると話した。