中国、新型肺炎の死者6人に 感染者は海外も合わせ300人突破
世界各国の対応は......
オーストラリア政府は21日、武漢市からの渡航者全員の検疫を開始する方針を明らかにした。[nL4N29Q097]
米国や多くのアジア諸国など、武漢市からの渡航者に対する検疫を強化する国が相次いでいる。
また、武漢市衛生当局によると、市内の医療従事者15人が新型肺炎に感染、1人に感染の疑いがある。感染者のうち1人は重体という。
世界保健機関(WHO)は20日、中国で感染が拡大している新型コロナウイルスによる肺炎に関して、22日に緊急委員会の会合を開催すると発表した。[nL4N29P3AD]
習近平国家主席は20日、感染拡大の阻止と患者の命を救うことが最も優先されると表明した。
国営テレビによると、習主席は「国民の命と健康が最優先されるべきで、感染拡大は必ず抑え込むべきだ」と述べた。
ウイルスの封じ込めが難しいことに加え、中国では旧正月の大型連休が今週始まり、多数が国内外に旅行することから感染拡大が懸念されている。
医学研究支援団体ウェルカム・トラストの感染症専門家、ジェレミー・ファラー代表は、武漢は大規模なハブで、旧正月で旅行客が増えることを考えると、懸念度は引き続き高いとし、感染がさらに拡大する可能性があるとした。
インペリアル・カレッジ・ロンドンのMRCセンターの報告では、武漢では類似の症状を持った患者が今月12日までに1723人に上ったと発表。中国の保健当局はこれについてコメントしていない。
前出のファラー氏は「感染の大流行が極めて懸念される。不確実な部分はあるが、人から人に感染するのは明らかだ」と述べた。
*内容を追加しました。
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