最新記事

2020米大統領選

それでも僕らがトランプを支持する理由

YOUNG TRUMP SUPPORTERS

2019年11月8日(金)16時40分
ビル・パウエル(本誌シニアライター)

magw191108_Trump6.jpg

トランプ支持の若者たちはトランプが「アメリカ人魂」を取り戻してくれたことやトランプのストレートな物言いに共感している ZACK WITTMAN-THE WASHINGTON POST/GETTY IMAGES

大学を今年卒業したばかりのスペンサー・ロス(23)に言わせれば、民主党の大統領候補らを支持するなんて、「経済学の授業中に寝ていたか、単なる無知に違いない」「不法移民の医療の無償化(を支持する)だって? 揺すったら欲しいだけ資金を落としてくれる魔法の金のなる木があると信じているみたいだ。そんなのはおかしい」。

そうは言っても、民主党の大盤振る舞いの経済政策、とりわけ公立大学の授業料の無償化と学生ローンの返済免除が多くの若者を引き付けていることは、カークも認める。これに対しては、「賢い選択をしようと訴えている」と、彼は言う。「学費を借りない選択をした学生たちもいる。彼らや彼らの家族がほかの学生の借金のために税金を負担するのは不公平じゃないか、と」

ローン地獄にあえぐ若年層に、この訴えが届くかどうかは微妙なところだ。最近の世論調査では、大学を卒業したばかりの若者の70%が学生ローンに関する民主党の政策を支持していた。

トランプ派の若者がそれ以上に苦戦している争点は人種と移民だ。反トランプ派はトランプのツイートや発言が白人至上主義やヒスパニック排斥をあおっていると主張する。トランプの「犬笛」、つまり人種差別主義者にだけ分かる攻撃の呼び掛けが銃乱射事件の引き金になっている、というのだ。

一部の主流派メディアは今では日常的にトランプの「差別的」なツイートを批判している。いい例が、7月に民主党の4人の非白人女性の新人議員たちに対し、トランプが「完全に破綻し、犯罪の巣窟となった」出身国に帰れ、とツイートしたことを取り上げたワシントン・ポスト紙の記事だ。

本誌が取材したトランプ派の若者は例外なしに、トランプは人種差別主義者ではない、と考えていた。それでもトランプの物言いや政策の一部には抵抗を感じると言う若者もいた。

カリフォルニア州のサドルバック大学3年生、ジェーソン・リーバス(22)もそんな1人。「6割5分くらい」トランプ支持に傾いているという彼は、「トランプのツイートや口調には違和感を覚えることもある」と打ち明けた。「だけど、国境管理の強化や人工妊娠中絶反対の姿勢、それに資本家優遇で、大幅減税を実施し、経済が回るようにしたことは大いに評価できる」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:またトランプ氏を過小評価、米世論調査の解

ワールド

アングル:南米の環境保護、アマゾンに集中 砂漠や草

ワールド

トランプ氏、FDA長官に外科医マカリー氏指名 過剰

ワールド

トランプ氏、安保副補佐官に元北朝鮮担当ウォン氏を起
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたまま飛行機が離陸体勢に...窓から女性が撮影した映像にネット震撼
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    「何も見えない」...大雨の日に飛行機を着陸させる「…
  • 8
    クルスク州のロシア軍司令部をウクライナがミサイル…
  • 9
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 10
    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中